「発電側基本料金」「発電側課金」とは、電力系統の設備コストの一部を最大出力(kW)に応じて、発電側の事業者に課金する仕組み。現在、電力システム改革の一環で検討が進んでいる。2023年度の導入が予定されている。
従来、電力系統設備のコストは、共通利用の多い部分については「一般負担」として電力需要家の支払う電気料金(託送料金)に含めている。また、共通利用の少ない設備は「特定負担」として、系統接続時の工事費負担金で発電事業者に請求している。
「発電側基本料金」は、今後、電力需要が減少していく一方で全国的に分散電源が増加していくなか、電力系統への新規投資を円滑に進める目的で検討している。送配電網に接続する発電事業者に幅広く系統設備コストを負担してもらうのが狙いだ。
原則として、再エネ電源を含め、すべての電源にkW一律で課金する。
今回の制度見直しでは、発電側基本料金の導入と併せ、系統接続時の初期負担(工事費負担金)のあり方を見直す方向も示された。発電側基本料金が「kW一律」であることから、系統接続時の初期費用の「一般負担」の上限についても「kW一律」とする。
太陽光の場合、現在、一般負担の上限は1.5万円/kWだが、これを4.1万円/kWに引き上げる。これにより、太陽光接続時の系統工事費用における一般負担の割合が増え、太陽光発電事業者の支払う特定負担分(工事費負担金)が減るケースが出てくる。太陽光発電事業者については、初期負担が軽減され、発電側基本料金として稼働後に「分割払い」するようなイメージとなる(図1)。