フィード・イン・プレミアム(FIP)

ふぃーど・いん・ぷれみあむ

2020/05/14 20:40

 「フィード・イン・プレミアム(FIP=Feed in Premium)」とは、再生可能エネルギー発電事業者が電力卸市場への売却など市場価格で電力を販売する場合、プレミアムを上乗せする方式。売電単価に市場変動の要素を加味しつつ、プレミアム分だけ売電単価を高くすることで再エネの事業性を高め、普及を後押しする。

 再エネ電力を当初に決めた価格で長期間、買い取り続ける固定価格買取制度(FIT)は、再エネ推進に大きな効果があるものの、一方で各国が推進している電力市場の自由化のなか、再エネだけが電力市場から隔離されたような形になる。

 そうなると電力供給が過多で余剰が出るような時間帯でも、市場原理に基づいて需給バランスが調整されないようなケースがでてくる。

 そこで、FITを早く取り入れた諸外国では、再エネの市場統合を目的にFIP制度に移行している例が見られる。

 国内でも、経済産業省は、早ければ2021年度からスタートするFITの抜本的な見直しなかで、FIPを新制度のベースとして位置づけている。

 FIPには、プレミアムの決め方によって、大きく「完全変動型プレミアムFIP」と「全期間固定型プレミアムFIP」の2つがあり、前者は売電収入を予想しやすく、投資インセンティブを確保できる半面で市場への統合が不十分、後者は収入の予想が難しく投資インセンティブを確保しにくい半面で市場への統合に優れるという課題がある。

 そこで、諸外国では、その中間的な「上限・下限付き固定型FIP」という中間的な仕組みも考案されている。これまでの国内での制度検討の場でも、この中間的な制度を目指す方向性が示されている。

「固定プレミアム型」と「変動プレミアム型」のその中間型のイメージ
(出所:経済産業省)
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 具体的には、売電収入の基準となる「基準価格(FIP価格)」を予め決定しておく一方、一定期間ごとにある程度市場に連動した「市場参照価格」を設定し、基準価格と参照価格の差をこの一定期間内の「プレミアム」として固定する。

 発電事業者の収入は、市場価格にプレミアム分を足した合計になる。収入は市場変動によって常に変動するものの、プレミアムは短期・一定期間は固定、長期的に変動する。これまでの議論では、市場参照価格は1カ月から1年程度ごとに見直すイメージを示している。

国内で検討されているFIPのイメージ
(出所:経済産業省)
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 また、FIT抜本見直しでは、メガソーラー(大規模太陽光発電所)など競争力のある大規模電源については、入札制度を前提にしており、メガソーラーや洋上風力などの大規模再エネについては、FIPと入札制度を組み合わせた形になる。この場合、入札で基準価格を決めることになると見られる(2020年5月執筆)。