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コーポレートPPA(CPPA)とは

こーぽれーとぴーぴーえー

2020/05/14 20:57
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 「コーポレートPPA(Corporate Power Purchase Agreement)」とは、企業(電力需要家)が独立系発電事業者(IPP)と直接、長期間の電力購入契約(PPA)を結ぶことを指す。元々は、認可された電気小売事業者から購入する従来型の電力調達との対比で使われてきた。

 ただ、ここ数年、再生可能エネルギー発電事業者の側で「コーポレートPPA」という用語を使う場合、固定価格買取制度(FIT)やフィード・イン・プレミアム(FIP)のような国による再エネ買取制度との対比で使われ、こうした公的な再エネ支援制度を使わず、民間企業と独自に再エネ電力の長期買取契約を結ぶスキームを指すことが多い。

 こうした再エネ発電事業者の視点からの「コーポレートPPA」では、電気小売事業者とPPAを締結して、電力会社を通じて需要家に電気を供給するスキームを含める場合もある。ただ、直接、大口需要家とPPAを交わすほうが、電力会社が間に入らない分、発電事業者と需要家の双方にとって収益性が高まる利点もあり、「コーポレートPPA」の主流となっている。ただ、その場合、需給バランスの維持などの課題も出てくる。

 「コーポレートPPA」のなかで、電力需要家がメガソーラー(大規模太陽光発電所)や風力発電プロジェクトなどに出資したうえで、その案件からの電力を長期間、買い取ることも多い。こうしたスキームを「事業参加型コーポレートPPA」と呼ぶこともある。

 米IT企業など欧米大手のなかには、メガソーラーや風力プロジェクトなどの新規開発に投資する「事業参加型コーポレートPPA」によって、再エネ電力を調達することを軸に「再エネ100%」の実現を目指している企業が目立ってきた。

「事業参加型コーポレートPPA」のスキーム図
(出所:JCLP)
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 再エネ発電事業者にとって、FITでは電力会社の信用力や国による制度の安定性が事業リスクになる一方、「コーポレートPPA」では、契約相手の需要家の信用力が事業リスクになる。そのため、「コーポレートPPA」スキームを構築できる需要家には、財務の安定した大企業が多い。逆に言うと、信用力の高い企業との「コーポレートPPA」であれば、FITと同様に、事業自体を担保に融資を受けるプロジェクトファイナンスによる資金調達も可能になる。

 「コーポレートPPA」が成立するためには、FITやFIPなど国による支援制度がなくても、再エネ発電事業者と需要家の双方に経済性が出せることが前提になる。そのため、再エネの導入コストが十分に下がっている米国や欧州などでは、FITやFIPに代わり「コーポレートPPA」が再エネ売電スキームの主流になりつつある。

 需要家の敷地内に再エネ発電設備を設置し、電力を供給する仕組みでは、電力会社の送配電網を使わず託送料がかからないため、すでに国内でも十分な経済性を確保できており、こうしたビジネスモデルを、「PPAモデル」「第三者所有モデル」と呼ぶこともある。

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