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集中型(セントラル型)パワーコンディショナー とは

しゅうちゅうがた(せんとらるがた)ぱわーこんでぃしょなー

2020/06/04 15:59
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 規模の大きな太陽光発電所は当初、できるだけ大きな定格出力のパワーコンディショナー(PCS)を採用し、できるだけ少ない台数で構成する手法が一般的だった。現在でも、この手法が主流だが、一方で、小型のPCSを採用して多くの台数を設置する手法も出てきている。

 小型のPCSを採用して多くの台数を設置する手法や、そこで採用されるPCSが「分散型」もしくは「ストリング型」と呼ばれるのに対して、大型のPCSを採用して最小の台数で構成する手法や、そこで採用されるPCSは「集中型」もしくは「セントラル型」と呼ばれている。

 集中型の機種では、とくに国内メーカーの製品は、電力設備の応用として開発、製品化された経緯が多いことから、変換効率の高さなどの性能はもちろん、安全性や信頼性、保守のしやすさが比較的十分に考慮されている場合が多い。定期点検時には、メーカーの担当者が現地に出向いて作業に従事するなど、専門的なサポートが提供される。

 これに対して、分散型モデルの場合、初期コストなどの利点はあるものの、ほとんどの海外メーカーの製品は、家電のような発想で開発、製品化されていること、海外の点検制度が日本と異なることが重なり、安全性や信頼性の課題が、電気保安協会やO&M(運用・保守)サービス企業などから指摘されている。

 集中型の場合、kW当たりの導入コストの低下は、できるだけ大きな定格出力の機種を採用し、台数を最小化することで実現されてきた。このため、メーカーはより大きな定格出力の機種を新たに製品化し続けてきた。

 例えば、集中型を代表する大手である東芝三菱電機産業システム(TMEIC)の場合、当初、定格出力500kW機が主力だったが、1MW機、2MW機、3.2MW機などという推移で、より大型の機種を製品化し、2019年には世界最大級の単機容量5.5MWのシステムを製品化している。これは、出力920kWのモジュラー式PCSを並列化した構成で、最大となる6台構成の場合、5.5MWになる。

 これによって、例えば出力10MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の場合、定格出力500kW機で構成すると20台を導入する必要があるのに対して、2MW機で構成すると5台、5.5MW機なら2台で実現できる。

 これによって、PCSの購入費だけでなく、コンクリート基礎の形成や設置作業工数の削減といった施工コストも抑えることができる。

 また、保守や点検の手間も少なくて済む。台数が多いほど、同じ作業を繰り返すことになるため、所要時間と手間が増える。

定格出力1MW機が2台並んだメガソーラーの例
この発電所では、TMEIC製の機種を採用(出所:日経BP)
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