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エネルギーミックス/ミックス目標とは

えねるぎーみっくす/みっくすもくひょう

2020/06/17 21:35
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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現時点の「2030年のエネルギーミックス」
(出所:経産省)
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 国内エネルギー政策の議論のなかで「エネギーミックス」は、経済産業省の掲げる長期的な電源構成の目標を指すことが多い。略して「ミックス目標」と呼ばれることもある。

 現在の「ミックス目標」は、2015年に長期エネルギー需給見通し小委員会の場で議論して決まった。具体的には、「2030年のエネルギーミックス」として、「再生可能エネルギー22~24%」「原子力22~20%」のほか、「天然ガス火力27%」「石炭火力26%」「石油火力3%」という数値になっている。

 原子力の数値が「22~20%」と、大きい数値を前にして幅を持たせたのは、再エネの「22~24%」とセットで「ゼロエミッション電源」とし、合わせて「44%」を目標にしたからだ。再エネが22%なら原子力22%、再エネが24%まで伸びれば原子力20%という形にした。

 これまでのエネルギー政策の枠組みは、エネルギー基本法に基づく「エネルギー基本計画」で大まかな方向性を決め、経産省の有識者会議で議論して決める「長期エネルギー需給見通し」で、具体的な「ミックス目標」を規定する、という手順になっている。
 
 「エネルギーミックス」の役割が相対的に大きくなってきたのは、東日本大震災で原発が停止するなか、温暖化対策の国際枠組みを規定するパリ協定の採択(2015年12月)を目前に控えた「第4次エネルギー基本計画」(2014年4月)からだ。

 それまで温暖化対策の柱に位置付けてきた原発に過度に期待できなくなったなか、再エネをどこまで積み増せるかが焦点の1つとなった。その結果、「第4次エネルギー基本計画」に「再エネは2割以上の水準」と盛り込み、それを受けた形で、2015年7月の長期エネルギー需給見通しで、「再エネ22~24%」「原発22~20%」という数値になった。

 2018年7月に公表された「第5次エネルギー基本計画」では、議論の当初から、経済産業大臣が「今回の見直しでは、エネルギーミックスは見直さない」との方向性を示し、ミックス目標は、そのまま持ち越された経緯がある。

 「エネルギー基本計画」は3~4年ごとに見直すことになっており、2020年には「第6次エネルギー基本計画」の議論が始まり、2021年には公表され、その内容によっては2022年には、有識者会議で新たなエネルギーミックスが決まる可能性がある。

 原発の再稼働が遅れるなか、「ゼロエミ電源44%」を前提にすれば、「再エネ24%」をどこまで積み増すかが、大きな論点になる。

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