探訪

「パネルの海」が壮観! 久米南町の美しいメガソーラー(page 2)

遠隔監視とデータ分析システムを導入

2016/05/24 00:00
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
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景気の波に飲まれたゴルフ場計画

 実は、久米南町は1973年4月、この地にゴルフ場を開発する民間事業者と協定を結んだ。「町内に100人規模の雇用を生む」と、期待が膨らんだ。だが、その年の10月に石油ショックが起きた。景気が低迷し、計画の進行は停滞し、ようやく92年に着工した。

 だが、今度はバブル経済の崩壊などの影響を受け、94年ごろに工事は中断。7割程度まで造成工事が進んだ状態で、20年以上、放置された。一度、木を切ったまま誰も管理しないと山は荒れる。「イノシシなどの獣害のほか、ごみの不法投棄なども懸念された。開発を後押しした町にも道義的な責任がある。他に使い道がないか模索し続けてきた」(河島町長)。

 「ゴルフ場開発跡地にメガソーラーを建設したい」。パシフィコ・エナジー(東京都港区)の金當一臣社長が、河島町長に相談したのは2012年9月。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が施行して2カ月後だった。

 パシフィコ・エナジーは、かつて風力発電の開発を手掛けてきたメンバーなどによって創設した。米ジェマソン・グループから出資を受け、その一員として国内の再エネ開発に取り組んでいる。ジェマンソン・グループは、発電事業から燃料販売、石油・ガス開発、商業プロジェクト開発など、エネルギー・不動産関連の複合企業だ。

 FITがスタートし、未利用の工業用地など、平坦でメガソーラーを建設しやすい事業用地を大手企業などが押えていくなか、パシフィコ・エナジーは、いち早くゴルフ場跡地や開発跡地に目を付けた。その最初の案件が久米南町のサイトだった。ゴルフ場の開発跡地の活用に行き詰まっていた久米南町にとっても、メガソーラープロジェクトは渡りに船。2013年6月に事業実施のために協定書を締結し、2014年6月に着工した(図3)。

図3●ゴルフ場開発跡地を造成してパネルを設置した
(出所:日経BP)
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