トラブル

吸排気口からツル性植物「クズ」が侵入、パワコン内で繁殖し、稼動停止(page 3)

エネテク 第1回

2018/03/08 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテック研究所
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 吸排気口からPCS内に侵入したツル性植物は、ファンを中心にPCSの内部に伸びていく(図3)。吸排気口の外側から侵入している時点では、比較的、細いツルの場合でも、内部に侵入して伸びていくにつれて、太くなっている場合が多いという。

図3●ファンの周辺を中心に密集
低圧の太陽光発電所における例。PCSは稼動を停止(出所:エネテク)
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 ファンの周辺を中心に、内部にツル性植物が伸びて密集してくると、ツル性植物によって熱を外部に逃がす効果が落ち、発電中は過熱しやすくなってくる。ファンが稼動を停止していた場合もある。また、ファンが稼動しても、PCS内の適切な冷却が間に合わなくなってくる。

 すると、PCSの安全装置が働いて、稼動を停止する。太陽光パネルは発電を続けているので、PCSの段階で発電をロスしていることになる。

 発電量が予想よりも少なく、転売を検討するためにエネテクが調査を担当した発電所の場合、こうしたツル性植物の侵入によるPCSの停止を確認でき、発電量が予想よりも低調だった理由の一つとなっていたという。

 こうした場合、PCS内からツル性植物を取り除いた後、まずファンが正常に動くことを確認し、様子を見ながらPCSを再稼動させる。

 ただし、長期間にわたって稼動が止まっていたPCSの場合、それだけでは再稼動できない場合があるという。他の部品の交換や、メーカーによる修繕が必要になる。この間も、発電のロスは続く。

 今回は、低圧太陽光の例を紹介したが、高圧や特別高圧の送配電線に連系している太陽光発電所でも、分散型のPCSを採用している場合、低圧向けと同じようなPCSの構造で、架台に固定していることから、同様のトラブルが起きる恐れがあるという。

 いずれにしても、日常的に発電所を訪れて状況を把握し、ツル性植物などが繁殖していれば対策を施すとともに、PCS単位などで遠隔監視システムを導入し、稼動状況からトラブルの兆候を把握するなど、適切な運用によって防げると指摘する。

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