トラブル

「分散型パワコン」に壊れやすさのリスク、センサー不具合で出力半減(page 3)

エネテク 第3回

2018/04/05 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 ここまでの調査結果を、エネテクが販売代理店を通じてメーカーに報告し、最終的に、エネテクの報告を基に、メーカーはこのPCSを無償で交換した。

 実は、このPCSは、保証期間を過ぎていた。このメーカーは、保証期間を1年、5年、8年、10年にわけ、期間に応じた金額を課している。今回、「出力半減」が生じたPCSが設置されていた太陽光発電所では、保証期間は1年間だった。一方、不具合の起きた時期は、すでに1年を過ぎていた。

 1年以上たった保証期間外だったにもかかわらず、メーカーが無償による交換に応じたのは理由があるようだ。

 この不具合が起きる直前に、約半分となる24台のPCSが、落雷によって通信端末が損壊する被害に遭っていた。発電所の周囲に落雷し、送電線などを通じた「誘導雷」による被害だった。被災した24台は、損害保険を適用し、交換したばかりだった。しかも、交換したうちの1台は、初期不良品で再度の交換となっていた。

 こうした経緯があり、PCSメーカーは、例外的な保証期間外の無償交換に応じたのではないかと推測している。

 別の太陽光発電所でも、分散型PCSが故障した場合がある。例えば、装着されているリレーの基板に関する不具合により、出力していなかった場合がある(図4)。

図4●分散型PCSを束ねて制御するマスターボックスの表示
停止しているPCSはないと表示(左)されるも、個別のPCSの状態を表示すると1台が「待機中」(右)と表示され、発電量がゼロになっている。遠隔監視システムでは気づきにくい不具合という(出所:エネテク)
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 遠隔監視システムの画面では「運転待機状態」となり、出力していないことがわかった。待機状態なので、遠隔監視システム上は「故障」の扱いではなく、警報(アラーム)は発しなかった。

 現地に向かい、確認してみると、このPCSの発電量はゼロで、再起動を試みても出力しなかった。メーカーに技術者を派遣してもらった結果、「原因は特定できないが、リレー基板の不具合」との報告を受けた。

 エネテクによると、同じ分散型PCSといっても、今回のように不具合が頻繁に生じるメーカーと、そうでないメーカーとあり、信頼性に差があるという。不具合が生じた場合でも、保証による交換などの判断の前に、迅速に交換機を届けて売電ロスを最小限に抑える姿勢の有無など、不具合への対応にも差がついているとしている。

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