トラブル

他法令違反で初の「認定取消」、農転せずに太陽光パネル(page 4)

2019/04/11 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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「聴聞」を経て認定取消に

 エネ庁は、2017年4月に施行された改正FIT法により、こうした他法令に違反した状態でFITによる発電事業を行っている場合、認定を取り消せる規定を設けた。具体的にはFITに関する省令第46号に明記された「認定の申請に係る再生可能エネルギー発電事業を円滑かつ確実に実施するために必要な関係法令(条例を含む)の規定を遵守するものであること」(省令第46号・第5条の2第3号)という規定で、今回はこれを適用した。

 ただ、他法令違反の状態であるか否かは、農地法の場合、都道府県が判断し、状況を把握しているため、エネ庁では、FITに関わる法令違反について自治体に情報提供を呼び掛けてきた。今回は、沖縄県がこれに応じる形で、内閣府沖縄総合事務局・経済産業部に通報した。

 同部では、経済産業大臣名で、事業者に対して文書で現状回復について指導したが、この時も改善は見られなかった。そこで、「聴聞」を実施し、事業者本人から言い分を聞いた。

 「聴聞」とは、事業者にとって不利益となる行政処分を行う場合、他部署の国家公務員が中立的に判断する行政法上のプロセス。今回は、聴聞を経て農地法違反による「認定取消」が適切との判断となり、事業者に通知された。

 こうした認定取消の措置は、沖縄県とともに沖縄電力にも通知され、FITによる売電を停止するため、事業者の立会いの下で、電力系統との接続が解除された(図4)。

図4●すでに沖縄電力により系統連系は解除された
(出所:日経BP)
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 今回の農地法違反では、そもそも一時転用の手続きを踏まずに太陽光設備を設置したことが、「違反」とされた。仮に設置されていた設備が「営農型」として適していたとても、法手続き上、事後的に「一時転用」が認められることはないというのが原則だ。

 ただ、農業委員会では、今回、設置されていた「パネル下に直射日光がほとんど入らない太陽光設備」を「営農型」とは判断していないという。その意味では、農地転用ができない農用地区域に通常の太陽光発電所を設置したことが法令違反になる。

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