トラブル

換気扇で間に合わず、パワコンの温度上昇で出力半減(page 2)

エネテク 第4回

2018/04/19 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 この顧客の場合、年間契約を結んでいるので、このほかに、緊急の対応が必要な状況が生じた場合、現地に駆けつけるといったサービスを含んでいる。

 太陽光発電設備の概要は、屋根上に出力240W/枚の結晶シリコン型太陽光パネルを208枚並べている。パワーコンディショナー(PCS)は、出力10kW機を4台導入していた。ストリング(太陽光パネルを直列で接続する単位)は13枚で構成している。

 遠隔監視システムを導入したことで、全体の発電状況とともに、PCSごとの発電状況を把握できるようになった。このシステムの導入で新たに設置したのは、PCS内に設置する電流センサーや送信モジュールなどである。

 遠隔監視システムが稼働し始めてから数日後、発電量の異常を示す警報(アラート)が発信された(図2)。夏の晴天日だった。

図2●高温による稼働の制限を表示
40℃を超えると稼働を制御する仕様の機種だった(出所:エネテク)
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 PCSごとの電流のデータは、1時間ごとに計測している。夏の晴天日のうち、10時~15時に警報が発された。

 具体的には、4台のPCSのうち、1台のみ正常に稼働し、残りの3台は、警報が発された時間帯には、本来なら期待できる発電量に対して、約半分に低下していた。

 正常に稼働していたPCSでは1時間の出力が8.4kWhだったのに対して、残りの3台は4.9kWhが2台、6.4kWhが1台という状況だった。1日の発電量も、正常に稼働していた1台が64.8kWhだったが、残りの3台は48.4kWh、53.2kWh、55.6kWhと少なかった。

 太陽光パネルやPCSの設置状況は、ほぼ同じである。PCSは、工場内の「電気室」に置かれていた(図3)。この電気室内は、熱がこもっている状況だった。

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図3●工場の電気室内にPCSを配置
扇風機は電気室内の温度が40℃を超えたときに自動で稼働する設定だった(出所:エネテク)
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 もちろん、過熱を想定して、換気扇を備えていた。換気扇は、電気室内が一定の温度に達すると、自動で回る仕組みとなっていた。

 この設定温度は40℃だった。警報を受けて、エネテクの担当者が現地に駆けつけた時には、換気扇は止まっていた。電気室内の温度は40℃以下だったことになる。

 PCSを見てみると、正常に稼働している1台を除く3台には、エラーが表示されていた。いずれも、高温によって安全機能が働き、稼働を制限していることを示していた。

 PCSは、日射が強く、発電電力が増えるほど、直交変換などを担うパワー半導体の稼動によって、内部の温度が高くなる。一定以上に過熱すると、PCSは稼動を続けられず、壊れてしまうために、安全機能を働かせ、稼働を制限したり、停止したりする。

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