配管で保護せず、封止もしない
また、接続箱のPN端子が錆びていることも多いという(図2)。見かけ上、焦げほど深刻に受け止めない人が多いが、重大な事故につながる状態に変わりないという。
エネテクが点検の依頼を受けて現地に向かい、こうした端子のサビを発見したケースの中には、図2の太陽光発電所のように、接続箱が通常よりも地面に近く、地上から低い高さに設置されていたこともある。
しかも、この発電所では、太陽光パネルを直列に接続して接続箱に入力している電線の配線に際し、樹脂製などの保護管を使ってなかった。
通常は、樹脂製などの保護用パイプに電線を通した上、接続箱の配線の入力口には、穴と保護管の間にできる隙間を、パテ(接合材)を使って埋める。これによって、保護管を適切に接続箱に固定するとともに、虫や小動物などの侵入を防き、雨水も入り込みにくくなる。
しかし、この太陽光発電所では、配線に保護管が使われていなかっただけでなく、接続箱の配線の入力口と電線の隙間がそのままで、パテで埋められていなかった。
設置高さが低いこと、隙間が多いことのいずれも、水分が接続箱内に入り込みやすくなる。これによって、端子が錆びてしまったとみられる。
こうした不適切な配線は、今回取り上げた接続箱内の錆び程度では済まない、重大なトラブルを引き起こす場合もある。
接続箱ごと炭のように真っ黒に焦げただけでなく、保護管と電線まで真っ黒に焦げた例を、次回、紹介する(図3)。