トラブル

PIDによる出力低下か、供給元は経営破たん、対応はどのように?(page 2)

エネテク 第13回

2018/07/04 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 主流のp型の太陽光パネルでは、PIDによる出力低下が生じている場合、まず、最大出力点近辺の出力が下がる。この出力低下に引きずられるように、最大出力電圧が下がる。この電圧の低下によって、全体的な出力が下がり、この出力低下がさらに最大電圧の低下を招くというサイクルで進行していく。I-V特性を調べることで、この状況がわかる。

 その後のEL検査では、PIDによる出力低下が生じている場合、最終的にはセル全体が発光しなくなる(図2)。

図2●PIDによる出力低下が進行すると、最終的にEL検査では真っ黒な画像になる
別の発電所における例。セル全体が発光しなくなる(出所:エネテク)
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 PIDによる劣化が進行すると、セル内で部分的に内部抵抗が低下し、短絡している場所が生じる。その場所ではセルの発光が妨げられる。この現象がどんどん広がってくる。

 今回の太陽光発電所では、I-V特性の確認までは終えている。ここでもやはり、PIDによる出力低下が疑われる結果だったという。今後、EL検査を実施する予定となっている。

 これまでの同様の例の場合、エネテクによる調査結果をもとに、太陽光パネルメーカーはほぼ交換に応じてきた。

 ところが、今回はEL検査の結果で同じようにPIDによる出力低下が確認できたとしても、最終的にどのように帰結するのかわからないという。

 太陽光パネルの供給元が、経営破たんしているためである。この企業が供給した中国製の太陽光パネルのアフターサービスなどが、どのような状態になっているのかを確かめた上での対応となるようだ。

 万が一、所有者が変わって保証を引き継がずに責任を放棄するといった状況になり、発電事業者が加入していた場合には、再保険を活用する例となりそうだ。

 再保険とは、再保険会社が認定したメーカーの太陽光パネルを採用した発電所に対して、もし、そのメーカーが経営破たんした状況で、保証による交換が必要になった場合、他のメーカーの太陽光パネルへの交換に要する費用を補償するといった内容の保険を指す。

【エネテクによるトラブル・シューティング】
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