「またぎ配線」の保護管が、雨水の溜まりどころに

エネテク 第18回

2018/09/27 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 今回のシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に設立された電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 太陽光パネルを直列に接続した回路を接続箱に入力する際、電線を樹脂製の保護管で覆っていなかったり、保護管で覆ってはいても、保護管の入口において電線との隙間を開けっ放しで、パテで埋めていなかったことによるトラブルを、いくつか紹介してきた。

 水分が入り込むことによって、接続箱内の端子が錆びる、電線の固定が不十分なことから、地盤沈下によって電線が抜け落ちて短絡し、接続箱が丸焦げになる、小動物や昆虫が侵入して短絡するといった事例である。

接続箱内の端子が錆びる

接続箱が丸焦げになる

小動物や昆虫が侵入して短絡する

 今回、紹介するのは、接続箱に入力する以前の段階、太陽光パネルの直列接続時の例となる。パネルの直列接続が一つの架台の中だけで完結せず、複数の架台をまたいで直列接続する、いわゆる「またぎ配線」で生じていた(図1)。

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図1●またぎ配線部の保護管に雨水が溜まる
保護管の敷設が適切でないことで生じた(出所:エネテク)
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 またぎ配線の際にも、接続箱への入力時と同じように、樹脂製の保護管で覆うことが望ましい。

 今回の例では、またぎ配線部の電線は、保護管には覆われていた。しかし、その処理が不十分だった。

 保護管は、架台と架台の間で、U字状に垂れ下がっていた。そして、その中に雨水が溜まっていた。U字状に垂れ下がっている保護管を上に持ち上げると、中に溜まった雨水が流れ落ちてきた(動画)。

動画●保護管を上に向けると雨水が流れ出てくる
(出所:エネテク)

 この保護管の中には、太陽光パネル同士を接続しているコネクタの接続部が通っている。そこに雨水が溜まっていれば、コネクタの接続部が水に浸っている可能性があり、何らかの拍子に漏電する恐れがある(図2)。

図2●コネクタが漏電する恐れがある
保護管内にコネクタによる接続部がある(出所:エネテク)
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 エネテクでは、この状況に対して、三つの処置による改善策を提案した。

 まず、保護管を従来よりも長いものに交換することである。従来は、保護管の長さが十分でないために、架台間で空中に保護管の入口が露出していた。これによって、雨水がそのまま保護管の中に流れ込んでいた。

 これを十分に長いものに変えて、太陽光パネルの下に保護管の入口が配置されるようにする。これによって、パネルを屋根代わりに使うことができ、雨水がそのまま保護管の中に入り込むような状況を回避できる。

 そして、雨水が入りにくいような角度で、保護管を固定することである。従来は、保護管は上を向いて宙ぶらりの状態になっていた。これでは、雨水がそのまま流入する。

 さらに、保護管の入口を、接続箱への入力時と同じように、パテで埋めることである。これによって、さらに雨水が中に入りにくくなる。

【エネテクによるトラブル・シューティング】