粗雑に固定、カタカタ揺れるパワコン、落下すれば電気的な事故も

エネテク 第20回

2018/10/25 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ

 今回のシリーズでは、エネテク(愛知県小牧市)が、太陽光発電所の点検やO&M(運用・保守)サービスを担う中で対応してきたトラブル事例を紹介している。同社は、2007年に設立された電気設備工事会社で、太陽光発電の施工も多く担当してきた。O&Mサービスでは、点検時に原因分析だけでなく、状況によっては、その場で不具合の原因を解消するといったワンストップの対応が特徴となっている(関連コラム)。

 今回、紹介するのは、太陽光発電所において、小型のパワーコンディショナー(PCS)の固定が危うい例である。

 小型PCSの設置に際しては、架台の後ろや太陽光パネル高部の下に、固定用の部材を取り付け、十分な安定性を確保して筐体を固定することが多い。集中型のPCSを採用した太陽光発電所で接続箱を固定しているのと同じような場所と方法で固定されている。

 ところが、この発電所では、PCSは、架台に寄り掛けるようにして置かれていただけだったという。

 確実に固定されているわけではないので、少し触っただけで、カタカタと音を立てて揺れ動く(動画)。

動画●架台から揺れ落ちそうなパワコン

 架台に固定されてはおらず、寄り掛かっているだけである。では、どこに置かれているのか。

 架台の内側に、アルミ材を組んだ土台のような構造があり、ここに乗せられている(図1)。見るからに、施工時に現場で余った端材を使って、急ごしらえで作ったような構造である。

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図1●余った資材で作ったとみられる土台のような構造
実質的に支えとして機能していないという(出所:エネテク)
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 PCSの上側は、架台上部に寄り掛かっている。架台との接点では、架台に固定用の部材らしきものが取り付けられ、この部材を通じて架台とビスで止めている(図2)。

図2●ビス1本で架台に固定
架台に寄り掛かるような状態になっている(出所:エネテク)
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 ビスで止めているといっても、エネテクによると、PCSが架台から浮いている状態で、そこにビスが添えてあるだけで、構造として意味が薄く、形を取り繕っているだけで、実質的には支えられていない状態という。この状態では、強風や地盤沈下、何らかの揺れの拍子に、簡単に地面に落下してしまうことが予想された。

 もし地面に落ちた場合、PCSに接続されている電線は引っ張られる。それによって電線が切断されたり、短絡した場合には、電気的な事故を招く恐れがある。

 太陽光パネルは、日中には発電し続ける。その送電先となるPCSが、粗雑な施工によって固定が不十分で、地面に落下した上、電線が短絡した状況でも、日射のある限りパネルからの直流の送電は止まらない。

 そのような危ない状況を招きかねない施工で、電気的な事故の発生や、火災といった周囲への被害を伴う事故の危険性さえあると強調している。

【エネテクによるトラブル・シューティング】