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空撮画像の分析も自動化、「誰でもできるドローン点検」目指す(page 4)

2MWのメガソーラーでは「分析時間3分」に

2018/07/20 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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パートナー企業が点検する体制に

 後工程の自動化が進んでいくと、ドローンによる空撮とその後の分析が、ほぼ自動化されることになる。太陽光パネルの点検において、誰でもドローンを飛ばし、分析できるような状況に近づいていく。

 森上社長は、「こうした環境整備によって、ドローンやITの専門家でない人でも、手軽にドローンで太陽光パネルを点検できるようになって欲しい」と言う。

 現在、同社では、トローンによる点検を受託すると、自社の担当者が現地に出向いて空撮し、分析、報告している。このようにして、これまで約100カ所、合計出力約250MWの太陽光発電所で実績を重ねてきた。大規模な案件では、出力40MW以上のメガソーラーの太陽光パネル点検を担当した。

 今後、さらにドローンによる太陽光パネルの点検の需要が増し、年間で合計出力数百MW、1GW以上といったレベルまで依頼が増える可能性もあると見ている。

 こうした状況を見越して、同社ではドローン点検のパートナー制度を開始した。

 パートナー企業に対して、エナジー・ソリューションズがドローンや関連システムを提供し、同社の開発した技術を使って、パートナー企業が太陽光パネルの点検を実施するという仕組みである。すでに太陽光発電のO&Mやドローン点検関連企業なども、このパートナー制度を活用しているという。

 パートナー企業が自ら受託した発電所だけでなく、エナジー・ソリューションズが依頼を受けた発電所の点検も紹介する。

 パートナー企業は、初期費用としてドローンの購入と研修に要する費用を支払う。

 そのほか、年ごとの更新時にドローンのメンテナンスや保険の費用が必要となる。また、クラウド上のソフトウェアなどの利用料で構成されている。検査報告書の作成については、出力約2MWの発電所であれば、ソフト利用料は1カ所あたり4万円となる。

 エナジー・ソリューションズは、ドローンによる点検を容易にするITなどのシステム開発や提供に関心があり、点検事業そのものの規模を一定以上に拡大するつもりはないという。

 ドローンの機体は、エンルート(埼玉県朝霞市)製と、米3D Robotics製を使い分けている。パートナー制度の場合、エンルート製の初期費用が約419万円、3D Robotics製は約238万円と大きな差がある。

 ドローンの機体は、日進月歩で進歩しており、当初は特注の機体でなければ実現できなかった太陽光パネルの点検が、汎用でより小型・軽量、低コストの製品で実現できるようになってきている。

 今後も、こうした傾向が進むとみられ、ドローン点検に要する費用はさらに低下し、買取価格の低い発電所などでも導入できるようになると見ている。

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