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大手電力や消防も活用する「太陽光向けドローン」の老舗、フカデン(page 3)

井桁構造の機体で軽量化、飛行時間と着地の安定性を向上

2016/11/30 00:00
加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所
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井桁構造の機体で軽量化、飛行時間を増す

 出力約7.5MWの「メガソーラーたけとよ」は、約14万m2の敷地に3万9168枚の太陽光パネルが並ぶ。実証では、ドローンを使い上空から赤外線カメラで撮影した。従来、3人で2日かかっていた撮影を、上空から撮影することで、約1時間に短縮した。

 フカデンのドローンは、顧客の使用目的に合わせたカスタマイズ品を提供している。メガソーラーたけとよ向けでは、中部電力と共同開発し、機体のフレームは簡素な井桁構造を採用した(図2)。1回の飛行時間の長さや、飛行時の安定性などに利点があるという。

図2●中部電力と共同開発したドローンを使った
井桁構造の機体で軽量化し、飛行時間を延ばした(出所:中部電力、フカデン)
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 敷地の広いメガソーラーでは、1回の飛行で、すべてのパネルを撮影できることが望ましい。しかし、一般的にドローンの飛行時間は、最長で15〜20分間と短い。実際には、安全を考慮してこの半分程度の時間で運用するので、1回の飛行で出力約2MW程度しか撮影できない。

 1回の飛行でより多くのパネルを撮影するには、赤外線カメラの解像度を増す方法もある。飛行高度を上げて、1回の撮影で画像に収めるパネルの枚数を増やす。パネルからの距離が遠くなっても、画像の解像度を上げることで、過剰に発熱している部分を明確に認識できれば、点検上、問題はない。

 ただし、現状では、この手法は採用しにくい。現在の赤外線カメラは、解像度を上げるに従って、重量が増すためである。機体が重くなると、同じ揚力を得るために必要な電力が多くなり、蓄電池の消耗が増す。結果的に、1回の飛行時間が短くなる。

 小型軽量で解像度の高い赤外線カメラや、出力密度の高い蓄電池の開発を待つことになる。

 そこで、機体を軽量化することが、当面の有効策となる。フレームを簡素な井桁構造とすることで、機体の軽量化につながった。1回の飛行時間は約40分間とし、一般的なドローンの約2倍を実現した。その結果、「メガソーラーたけとよ」では、2回で合計約54分間の飛行で、全パネルを撮影できた。

 フカデン製ドローンの井桁構造の機体は、パイプのような形状の部材で構成する(図3)。通常は折り畳み可能なアームと呼ばれるプロペラ(ローター)固定部に、井桁構造を採用したことで安定性を増した。ローターは四つ備える。着地する際に地面からの衝撃を受け止める脚も、同じように井桁構造とした。

図3●井桁構造で飛行が安定化し、軽量化しやすく着地も安定化
パイプのような形状の部材で組む(出所:フカデン)
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 こうした構造では、機体の剛性が増すため、一般的なドローンによく見られる「アームのブレ」が解消する。風の抵抗も受けにくいこともあり、飛行時の安定性を維持しながら、機体を軽量化しやすい。

 脚は、一般的なドローンに比べて、かなり短い。着地後に機体がバウンドするといった現象を抑えられることで、着地時の安定性が増すうえ、部材が少なくて済むので低コスト化に寄与するという。

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