太陽光の「負担金未払い案件」、接続契約を解約へ、経産省が方針

2019/03/25 07:30
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ

 経済産業省は3月18日、新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(WG)を開催し、東京電力パワーグリッド(東電PG)による系統の空き容量を確保する取り組みの成果を公表した。そのなかで、長期間未稼働の状態で工事費負担金を支払っていない案件に対し、電力会社との接続契約を解約していくスキームを実施し、2012年度分(359件)に対して84%が解約・取り下げとなったと公表した。

 経産省は、今回の「解約スキーム」を東電PG以外の旧一般電気事業者管内にも適用を促すことで、滞留案件が押さえている系統を開放し、空き容量を増やす方針だ。

 今回の東電PGによる「解約スキーム」では、まず、2012年度の接続申し込みで工事費負担金が未払いとなっている事業用低圧案件の359件(合計約1万kW)に対して、請求書を再発行して改めて請求した。その際、「申し込み取り下げ書」を同封して、系統連系の意志がない場合の返送を依頼した。

東電PGの解約スキーム。再請求に際して、「申し込み取下書」を同封し、連系意思が無い場合は返送を依頼した
(出所:東京電力PG)
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 その結果、359件中、58件が入金となり、301件が解約・取り下げとなった。約8割が連系に至らないことが明確化し、その分が新たな「空き容量」となった。

 東電PGでは、こうした工事費負担金未払いの事業用低圧案件が2013~16年度の接続申し込み分で2万2010件(約83万kW)、高圧案件が2012~16年度申し込み分で414件(約32万kW)、特別高圧案件が2012~16年度申し込み分で6件(78万kW)となっており、今後、同様のスキームでの解約手続きを順次、進めていく計画という。

東京電力PG管内における「解約スキーム」の対象案件
(出所:東電PG)
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全国で300万kW程度の新たな「空き」も

 仮に2013年度以降の事業用低圧案件や高圧・特別高圧案件でも、今回と同様に8割程度が解約・取り下げとなった場合、東電PG管内で100万kW以上の空き容量が生まれることになる。

 経産省の方針通り、他の電力管内でもこの解約スキームを実施し、同様の比率で解約・取り下げとなった場合、日本全体で300万kW程度の空き容量が出てくる可能性もある。

東電PG管内における事業用低圧を対象にした「解約スキーム」のスケジュール
(出所:東電PG)
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 本来、2017年4月に施行された固定価格買取制度(FIT)改正によって、電力会社に対して工事費負担金を払った上で接続契約を締結することが、改正FIT上の事業認定に移行する条件だった。しかし、実際には支払い期限の延長を繰り返すことなどで未払いの状態で事業認定に移行した案件も多かったと見られる。

 一方で、長期未稼働案件は、昨年12月のFITのルール変更によって買取価格の減額と運転開始期限が設定されたものが多く、事業化を断念したり、案件(認定と接続権利)の転売が難しくなったりして、系統容量を確保したまま「塩漬け」になっているケースも多い。

 経産省は、こうした弊害を打開するため、工事費負担金が未払いになっている案件に関しては、電力会社が原則として系統連系を拒んで系統容量を取り消せる形に送配電等業務指針規定の改正を進めてきた。

 今回、実際に「解約スキーム」を実行した東電PG管内で、対象の8割もの案件について、解約・取り下げとなったことは大きな成果で、今後、塩漬けになっていた滞留案件の“退場”で、新規案件の系統接続が容易になることが期待される。