独ボッシュ、来年にも全世界でCO2ゼロ、再エネ投資加速

2019/05/13 20:06
工藤宗介=技術ライター
ボッシュのインドにある工場に設置した太陽光パネル
(出所:ボッシュ)
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ボッシュの地域別CO2排出割合
(出所:ボッシュ)
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 自動車部品大手の独ボッシュ(Bosch)は5月9日、世界中の400を超える拠点およびエンジニアリング・製造施設、管理センターにおいて、早ければ2020年中にカーボンニュートラルを実現できると発表した。

 同社のCO2排出量は年間約330万tで、2007年に設定した数値から既に約35%削減した。2020年以降、他社の既存工場で発電するグリーン電力の余剰分を購入し、さらにカーボンオフセットプログラムに参加することで、大気に残留するCO2と排出を回避できないCO2を相殺する予定。

 また、カーボンオフセットは2030年までに段階的に廃止し、再生可能エネルギーへの投資を加速させる計画。自社所有の太陽光発電システムも拡大し、エネルギー容量が10倍に拡大すると見込んでいる。さらに、国の補助制度を利用せずに黒字経営を実現する世界各地の風力・太陽光発電所と長期的なサプライヤー独占契約も検討する。

 ボッシュは、2030年までに年間約1.7TWh(テラワット時)の更なる節電を目指す。グリーン電力の購入、カーボンオフセットプログラムへの参加、再エネからの電力調達のために10億ユーロを投資するのと並行して、社内のエネルギー効率向上に向けて10億ユーロを投資する。エネルギー効率の向上で約10億ユーロ分の節電を実現し、カーボンニュートラル実現のための支出を2030年までに約20億ユーロから約10億ユーロに抑えられると予測している。

 カーボンニュートラルへの主な取り組みとしては、独ファイヤバッハの工場では、設備の近代化を体系的かつ着実に進めることで全体のエネルギー効率向上に寄与した。熱回収、ルームオートメーション、装置の電源遮断管理のために各種システムを導入しているほか、改修プロジェクトを展開し、2007年比で電力を50%以上低減、CO2排出量(設定値)を47%低減した。

 また、ザールランド州ホンブルグの工場では、自社開発のエネルギー管理プラットフォームで各装置の電力消費量の監視・制御・最適化することで2007年から2万3000t超のCO2排出量を低減した。レニンゲンの工場では、グリーン電力の購入や屋上設置の太陽光発電設備、雨水の空調利用などにより2019年1月にカーボンニュートラルを達成した。

 このほかにも、仏ロデーの工場ではバイオマス燃焼システムの導入によりCO2排出量を年間約600t削減。インド・ナシクの工場では電力の約20%を太陽光発電で賄い、CO2排出量を約2万3000t削減し、2015年から約2万5000MWhを節電した。ナシクの南約1100kmに位置するビダディの工場も電力の約30%を太陽光発電で賄っている。メキシコでは、風力発電の電力だけで拠点全体に必要な電力の80%以上を賄い、2018年にCO2排出量を5万6000t削減した。