北九州沖で浮体式洋上風力が稼働、国内初「バージ型」を実証

2019/06/14 14:16
工藤宗介=技術ライター
バージ型浮体式洋上風力発電システム実証機「ひびき」
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、北九州市の沖約15km、水深約50mの海域にバージ型浮体式洋上風力発電システムの実証機「ひびき」を設置し、5月21日から実証運転を開始した。定格出力は3MW。2021年度まで実施し、低コストの浮体式洋上風力発電システムの確立を目指す。

 鋼製のバージ型浮体構造物に2枚翼のアップウィンド型風車を搭載し、スタッドレスチェーンと超高把駐力アンカーを組み合わせた計9本の係留システムで係留した。厳しい気象・海象条件での安全性が確保されるよう設計した。バージ型浮体式洋上風力発電システムの実証機は国内初という。

 2014年度から水深50~100mで適用可能な低コストの浮体式洋上風力発電システム実証研究を開始し、実証海域の選定や浮体の設計・製造に取り組んできた。2018年6月には実証機の組み立てを完了、その後設置海域まで曳航し、係留、ケーブルの接続、試運転などを行ってきた。

 実証運転では、発電量・波圧・係留力などの各種計測値と設計値を比較し、設計の妥当性を評価する。また、遠隔操作型の無人潜水機を用いた浮体や係留システムの効率的な維持管理技術、故障を予測し未然に防ぐ技術などを取り入れたメンテンナンスに取り組み、安全性・信頼性・経済性を検証する。

 風車のローター径は100m、ハブ高さは72m、重量は約133t。浮体は長さ51×幅51×高さ10m(スカート幅6m含む)で、喫水は約7.5m。重さは3100t。風車・係留・バラストを含む総重量は9858t。実証研究には、丸紅、日立造船、グローカル、エコ・パワー、東京大学、九電みらいエナジーが参画する。