ライフラインの課題を解決すべくサポート体制を整備

顧客のあらゆる課題解決をサポートするための様々な取り組みを行っている大塚商会は、近年、BCP対策にも注力。既に「たのめーる」を通して防災用品や非常食を提供しているが、さらに「電気・ガス・水道」などのインフラ事業にも取り組んでいくという。今年は創業60周年の記念事業の一環として、LPガス非常用発電機と自律分散型水循環システムを、同社とゆかりの深い自治体にセットで寄贈している。

「近年、災害による被害が多発しており、電気・ガス・水の安定供給が課題となっています。また、避難所でもコロナ対策の観点から手洗いのニーズが高まっています。こうした点も含めて、当社では各社との連携を強め、トータルにサポートできる体制を作っていきたい。本当の意味で『街の電器屋さん』になるための第一歩として、ライフラインの面でもお客様に寄り添っていきたいと考えています」(同社執行役員・渡邊賢司氏)。

大塚商会がコロナ・BCP対応ソリューションの中核と位置付けるのが、レイパワーのLPガス非常用発電機と、WOTAの自律分散型水循環システムだ。同社は、なぜこれらの2つの製品に注目したのだろうか。

「近年、病院や自治体、避難所、マンションの自治会などで、発電機の導入を検討されるケースが増えています。ところが、従来のディーゼル発電機だと連続運転時間が数時間と短く、重量の関係で地下に設置されるため水害に弱い、燃料が劣化しやすく災害時に使えない場合があるなど、課題も多く抱えています。その点、レイパワーの発電機は、軽量で地下以外にも設置できるので水害に強いのが特長です。燃料となるLPガスは、劣化しないので半永久的に保存が可能であり、ボンベに充てんすれば簡単に運べるため、災害時にも確実に調達できます。さらに、二酸化炭素の排出量は石炭の約65%で、硫黄酸化物(SO)や粒子状物質(PM)の排出も極めて少ないという、環境に優しい燃料であることも時代の潮流に合っています。様々な点でお客様にメリットを提供できると考えたのが、この製品に注目した理由です」(渡邊氏)

一方、WOTAの自律分散型水循環システムに注目した理由をこう説明する。「災害時の避難所での生活において、最も困ったのは生活用水だという調査結果もあるように、水の問題は深刻です。しかし、WOTAの技術を活用した自律分散型水循環システムであれば、この水問題の解決策になりえます。ほかにない有望なソリューションですので、お声がけさせていただきました」(渡邊氏)

災害に強い「LPガス」を燃料とする発電機

ガス専用エンジンを搭載したLPガス発電機『RAYPOWER 3kVA』
ガス専用エンジンを搭載したLPガス発電機『RAYPOWER 3kVA』

渡邊氏は、レイパワーの非常用LPガス発電機『RAYPOWER 3kVA』の採用の経緯をこう語る。

「日本各地で線状降水帯によるゲリラ豪雨や、地震・台風などによる停電が頻繁に発生しています。その対応策として、ディーゼル発電機が非常時の電源として長い間活用されてきましたが、設置場所の関係で水害時に使用できないケースは少なくありません。また、停電が数週間に及ぶ場合もあり、4~6時間程度で燃料を補給する必要があったり、蓄電池の電源だけでは対応できなかったりするなど、お客様は多くの不安を抱えていました。これらの背景から、災害に強いLPガスを燃料とした新しい発電機の採用に至りました」

神奈川県の介護施設は、やはりディーゼル発電機に対して複数の不安を抱えていた。稼働時間の短さや、停電時の混乱している状況下に誰が発電機の起動スイッチを押すのか、数時間ごとに補給が必要な軽油やガソリン燃料を誰が買いに行くのか、施設がハザードマップの水害危険地域にあるにもかかわらず水害への備えが不十分、などである。これらを一括して解消するために『RAYPOWER 3kVA』導入を決めたという事例を聞いた渡邊氏は、この発電機の必要性をより強く実感したという。

『RAYPOWER 3kVA』は、停電を自動検知し、40秒以内に自動的に起動できるので、誰かが電源を入れに行く必要がない。そして、家庭用のプロパンガス2本分(60㎏)で72時間(3日間)の連続稼働が可能である。本体は小型軽量で低騒音なので、屋上やベランダなどの高い場所にも設置できるため、災害時に水没するリスクは大幅に低減された。

今期中には、LPガスと都市ガスの切り替え利用が可能な、大容量50kVAタイプの発売も予定。より規模の大きい病院や工場、大型施設への導入が可能となった。「とはいえ、お客様が求めているのは、発電機単体ではありません」と渡邊氏は言う。

「介護施設では『入居者の安全を守りたい』、自治体では『災害発生時に避難せず、自宅で被災して亡くなるケースをなくしたい』というように、お客様は異なる課題を抱えています。しかし、こうした課題を我々だけで解決することはできません。各社が連携して、ライフラインが完備された“モデル避難所”を作れば、住民の方にも安心して避難していただけるのではないでしょうか」

レイパワー『3kVA非常用LPガスエンジン発電機』
レイパワー『3kVA非常用LPガスエンジン発電機』

「必要な場所で必要なだけ水が使える」世界を実現

大塚商会がBCP対策のもう1つの要と位置付けるのが、WOTAである。同社は、東京大学・大学院で水処理を研究していたメンバーによって、2014年に設立されたスタートアップ企業。代表取締役CEOの前田瑶介氏は、設立の経緯についてこう語る。

「人口減少時代を迎えて水道事業の負債が返済できなくなり、財政破綻の危機にさらされている自治体は少なくありません。今、都市ガスが使えない地域では、ボンベに詰めたプロパンガスを配送して分散型のガス供給を行っていますが、水インフラを持続可能なものにするためには、同じような工夫が必要なのではないか、そんな問題意識のもと、小規模分散型の水インフラの実現を目指してWOTAは設立されました」

WOTA株式会社 代表取締役CEO 前田瑶介氏
WOTA株式会社 代表取締役CEO 前田瑶介氏

水処理場での高度な制御を自動化しないかぎり、水処理を小型化することはできない。そこで、同社は水処理自律制御システムの開発に着手。IoTセンサーで水質や水処理部材の状態をモニタリングし、AIで水処理を自動制御する仕組みの構築を目指した。試行錯誤の末、再生率98%以上という高効率での水再生を実現。これにより、水道がない環境でも、使用済みの水を浄化し循環利用して安定供給することが可能になった。

当初、WOTAではキャンピングカーやオフィス内での活用を想定していたが、大きな転機となったのが2018年の西日本豪雨だった。同社は自律分散型水循環システム『WOTA BOX』の試作機と屋外シャワーキットを持って被災地に入り、避難所で入浴支援を行ったが、現場では様々な課題も目の当たりにした。

「現地には川もプールもありますが、誰もその水を使っていませんでした。現地にある水を誰でも簡単に処理できる仕組みがあれば、被災された方ご自身の手で水問題を解決できるのではないか。この時の経験が発端となり、『災害が発生しても、誰も水に困らない世界を作る』という別の風景が見えてきたわけです」

翌2019年、WOTA BOXの販売を開始。これは、水処理場を移動可能なサイズにまで小型化し、どこでも簡単に水の再生処理が行えるようにしたものだ。一度使った水の98%以上を浄化し循環利用できるので、通常は2人しかシャワーを使えない100ℓの水で、100人以上がシャワーを使うことができる。

続いて同社では、災害現場でのニーズが顕在化していた、水循環型手洗い器『WOSH』の開発にも着手。コロナ対策という衛生ニーズの高まりを受け開発を加速し、2020年7月にWOSHの製品発表を行った。これは、20ℓの水を再生循環利用することで、500回以上の手洗いができるというもの。「街中のどこでも手洗いができるようにすることで、公共空間での手洗いの習慣化と、公衆衛生の引き上げを実現したい」と前田氏は抱負を語る。

「我々は、『必要な場所で必要なだけ水が使える』という状況を実現していきたい。そのためにも、小規模分散型の水インフラを、今までの建設土木型のバリューチェーンではなく製造業型で社会実装したいと考えています。水インフラを個別に設計するのではなく、工場で大量生産しメンテナンスも標準化することで全国展開が可能になります。その点で、大塚商会の持つ全国的な販売・保守のネットワークは大変魅力的です」(前田氏)

WOTA『WOTA BOX』
WOTA『WOTA BOX』
WOTA『WOSH』
WOTA『WOSH』

組み合わせと柔軟な発想でより大きな効果を

大塚商会では、レイパワーやWOTAとの連携によりBCPのラインアップを強化。両社の製品を組み合わせ、また、個々の製品をバージョンアップしながら、ソリューションの充実を図っていく計画だ。例えば、ビルが水害に見舞われたとき、非常用発電機が固定式だと安全な場所に移動させることができない。そこで、大塚商会は建物内での移動を可能にするためにも、本体にタイヤを付けて可動式にすることを提案したという。このように、ソリューションの問題点を解決する柔軟な発想が大塚商会にはある。加えて、様々な事業で培った同社の知見は、レイパワーとWOTAにとっても意義のあるものだろう。

大塚商会が両社と連携して目指すのは「水再生処理プラントと非常用発電機のパッケージ化」である。自律分散型水循環システムを動かすには電気が必要であり、発電機も使う目的がなければ有効活用できない。災害時の運用を想定した場合、両方を組み合わせることで、より高い効果を得られるからだ。

「我々はお客様の立場に立って、『どうしたらお客様の課題を解決できるのか』を考えながら、トータルにサポートしていきたい。そのためにも、一歩先の技術をいち早く予見し、お客様に寄り添いながら、ソリューションの充実に努めていきたいと考えています」と語るのは大塚商会代表取締役社長の大塚裕司氏である。この言葉を体現するかのように動き出した新事業の今後の動向から、目が離せない。

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