企業のDXとワークスタイル変革の支援を中心に、多岐にわたる分野の業務に取り組む大塚商会は、近年、BCP対策の一環として、電気・ガス・水のインフラ事業に注力している。2021年からは、自治体にLPガス非常用発電機とポータブル水再生処理プラントを寄贈する創業60周年記念事業を開始。その第1弾として、2021年12月9日、高知県四万十町の町役場で寄贈式が行われた。

目録を受け取る四万十町 中尾博憲 町長(左)と大塚商会 取締役兼専務執行役員 齋藤廣伸氏
目録を受け取る四万十町 中尾博憲 町長(左)と大塚商会 取締役兼専務執行役員 齋藤廣伸氏

LPガス発電機で“避難した後の命”をつなぐ

高知県西南部の2町1村合併により、四万十町が誕生したのは2006年。古くから米の産地として栄え、四万十川や四国八十八ヵ所、天然温泉など、その豊かな観光資源で多くの観光客や移住者を惹きつけてきた。しかし、災害被害に対する懸念も強く、南海トラフ巨大地震の被害想定では、最大震度7、最大31mの津波が最速10数分で到達するとされる。このため四万十町では、新たに津波避難タワーが建設され、避難所やヘリポートなど、ハード面を中心とした整備が進められてきた。

一方、ソフト面ではまだまだ課題が多い、と中尾博憲町長は語る。「災害発生時、訓練通りに避難行動がとれるかどうかは大きな課題です。被害を最小化するためには、地震が発生したら直ちに動けるような意識付けや、住民の助け合いも必要になります。また、津波で被災した集落の方々や、長期避難が必要な住民を受け入れる2次避難所では、大規模で発電量の多い発電機が必要です。こうした課題対策の必要性を強く感じていました」

四万十町 中尾博憲 町長
四万十町 中尾博憲 町長

そこで、四万十町では、災害発生時に避難所や医療救護所で使う非常用発電機の導入を計画。そこで大塚商会は60周年記念事業の一環として、停電を自動で感知して起動、さらに長時間稼働を実現したレイパワーのLPガス発電機を2台寄贈することになった。

2台のLPガス発電機は、四万十町農村環境改善センターと四万十町窪川B&G海洋センターに設置された。「ガソリン式の発電機は管理が難しいのが難点ですが、この発電機はガスボンベ式なので、有事の際にも使いやすい。50kgのガスボンベ2本で5日間の連続稼働が可能なので、本当に安心です」と、中尾町長は高く評価する。

四万十町農村環境改善センターと四万十町窪川B&G海洋センターに設置されたLPガス発電機『RAYPOWER 3kVA』
四万十町農村環境改善センターと四万十町窪川B&G海洋センターに設置されたLPガス発電機『RAYPOWER 3kVA』
四万十町農村環境改善センターと四万十町窪川B&G海洋センターに設置されたLPガス発電機『RAYPOWER 3kVA』

「大規模災害への備えとして最も重要なことは、“避難した後の命”をつなぐことであり、その対策が急務です。特に、高齢化が進む四万十町において、電源などのインフラは大変貴重。LPガス発電機をご寄贈いただいたことに、町民を代表して感謝の言葉を申し上げたいと思います」(中尾町長)

インフラの領域のソリューションを地域の安全・安心に活かす

記念事業を日本各地に展開する理由について、大塚商会 取締役兼専務執行役員の齋藤廣伸氏はこう語る。

「近年、自治体様からは、これまでに経験したことのない災害が増えているという話を伺います。東日本大震災では当社の仙台支店のお客様も被災し、電源や水、サーバやネットワークが大きな被害を受けました。それをきっかけに、『お客様のパートナーとして、災害時の危機管理をご支援したい』という思いのもと、50周年時には自治体様へLED寄贈や大規模な植林、及びボランティア活動を行い、創業60周年はこの事業の取り組みをスタートすることにしました。

災害時には電気・ガス・水の安定供給が課題となり、最近はコロナの影響もあって、避難所でのライフラインの確保が重要性を増しています。大塚商会では、通販サービス『たのめーる』で防災用品や食糧などをご提供しておりますが、BCP対策にもより一層注力し、インフラの領域でもソリューションの充実・強化を図ります。そして、地域の皆様の安全・安心に、少しでも寄与できればと考えております」