工作機械の安定性融合、“リアルに耐えうる”3Dプリンター

2社目の事例は2021年9月に大型3Dプリンターの量産機を発売したエクストラボールド。2017年12月に設立した同社は、工業用グレードの純国産大型3Dプリンターを開発・販売するベンチャーだ。2021年9月には量産機となる「EXF-12」の販売を開始。自動車をはじめ、建築、製造、家具など幅広い業界での活用を見込む。最初の顧客は自動車部品メーカーの前田技研で、価格は1台6000万円前後を想定する。

EXF-12は最大で幅1.7メートル、高さ1メートル、奥行き1.3メートルの部材を製造できる。工作機械の安定性を基本とし、造形時間の長さ、サイズの小ささ、製造業用途に不向き、材料の選択肢の少なさといった3Dプリンターの課題を克服した点が特徴である。

EXF-12の外観(出所:エクストラボールド)
EXF-12の外観
(出所:エクストラボールド)

技術的には、射出成形スクリューを応用した独自開発の3Dプリントヘッドの存在が目を引く。これにより、1時間あたり最大15kgの高速造形を実現した。高剛性フレームとボールねじ、FAロボットのファナックの技術による制御を用いた安定動作、樹脂の収縮を抑える専用設計の厳密な温度コントロールにも配慮している。

足腰の強さに加え、汎用の樹脂ペレット材やリサイクル樹脂ペレット材が利用できるのも特筆すべき点だ。3Dプリンターの材料は専用のフィラメントを使うのが一般的だが、EXF-12であれば工場から出る廃プラスチックを原料として製造が可能になる。このことは、SDGsの観点からも大きな意味を持つ。

EXF-12の特徴(出所:エクストラボールド)
EXF-12の特徴
(出所:エクストラボールド)

エクストラボールド代表者の原雄司氏は、最初の就職先である岩崎通信機時代から一貫して「デジタル×ものづくり」を追求してきた。一方で、一時は総合格闘技の世界に身を置くなどユニークな経歴もある。原氏が考える「3Dプリンターの一歩先」について話を聞いた。