文部科学省は2021年1月7日、GIGAスクール構想の標準仕様書に「学校からのインターネット接続編」を追加した。これまで学習者用コンピューターと校内LANの仕様書は公開していたが、補助金の対象ではないインターネット接続回線の仕様書はなかった。児童・生徒に1人1台のコンピューターが整備されると、インターネット回線の帯域が不足することが予想される。このため、国は新たな補助金事業と標準仕様書をセットにしてボトルネックの解消を図る。

 GIGAスクール構想によって校内ネットワークが高速になっても、インターネット回線が貧弱では、クラウド型コンテンツサービスの利用や動画の視聴、Windowsアップデートなどで支障が出る恐れがある。その中でも、自治体や教育委員会のデータセンターがボトルネックになるケースは典型例だ。センター集約型はネットワーク管理やセキュリティ対策の面で有利。その一方で、データセンターの回線やネットワーク機器にアクセスが集中すると、そこがボトルネックになって通信速度が低下したり障害が発生したりする。

「GIGAスクール構想の実現 標準仕様書 学校からのインターネット接続編」で示されたローカルブレイクアウトのイメージ

 こうしたボトルネックの解消策として有効なのがローカルブレイクアウトだ。学習系のように機微情報を含まない通信はデータセンター経由の回線から独立させる。学校ごとにセキュリティ対策などをする必要はあるが、ボトルネックは迂回できる。今回文部科学省が公開した「学校からのインターネット接続編」は、まさにこのローカルブレイクアウトを推奨する内容だ。さらに、ローカルブレイクアウトを導入する自治体に対して、国は費用の3分の1を学校施設環境改善交付金として補助する予定だ。

 なお、GIGAスクール構想進捗を含めたICT環境整備の現状に関しては、「日経パソコン 教育とICT No.15」(2021年1月18日発行)の特集「公立学校情報化ランキング」で詳しく解説している。