GIGAスクール構想で1人1台のコンピューター環境が整備される一方、積極的な活用が課題となる。学校と家庭学習の連携や次世代型プログラミング教育などに活用する茨城県つくば市の取り組みを聞いた。

つくば市総合教育研究所 兼 教育指導課 情報担当指導主事 中村 めぐみ氏
つくば市総合教育研究所 兼 教育指導課 情報担当指導主事 中村 めぐみ氏

──GIGAスクール構想の整備の進捗状況はいかがですか。

 つくば市内の小中学校の校内ネットワーク整備は2020年度中に完了予定です。校内ネットワークが高速・大容量になる一方、センター集約型のインターネット回線がボトルネックとなり、教育用のクラウドサービスの利用にも支障を来す懸念があります。そこで、各学校から直接インターネットに接続するローカルブレイクアウトのへの移行を順次、進めています。

 コンピューターの整備については、小中学校を合わせて約1万9000台のうち、2020年12月までに約7000台が配備され、残りは2020年度末までに配備が完了する予定です。

──コンピューターは配ったらおしまいではなく、それをどう活用するかが重要です。

 まず、毎日の学校生活の中に端末の活用を組み込み、使う習慣を身に付けていくことを考えています。例えば、読書の感想を学習支援システムのデジタルノートに書いたり、本の中で心に残った画像にコメントを付けたりして保存し、朝の会で発表するといった使い方も可能です。

 同じ課題でも、子供たちの関心やアプローチの仕方は千差万別です。1人1台の端末になり、自分の関心に応じて探究できるようになるなど、つくば市が目指す「学習の個性化」を促進できます。

プログラミング教育が変わる

──1人1台の端末になり、何が変わりますか。

 プログラミング教育がその一つです。同じ目的でも、プログラミングの仕方はさまざまです。1人1台になり、自分の作りたいものが自由に作れるようになります。

 つくば市ではプログラミング教育に本格的に取り組んでから3年目になり、教科にプログラミングを取り入れる段階から次のステージに入っています。

 例えば、環境問題など実社会の課題解決のためにプログラムができることは何かを授業で考えます。その一環として「次世代SDGsプログラミング教育」に取り組み、子供たちにプログラミングの良さや可能性を理解してもらうことを目指しています。

──端末は児童・生徒が持ち帰れるようにしていますか。

 はい。学校の授業だけでなく、必要に応じて家庭に持ち帰ることを積極的に推奨しています。授業の課題を出す場合、端末を家庭に持ち帰れば、学校で学んだことの続きができます。家庭学習が進めば、学校では対話的な学習により多くの時間を割くこともできます。

 そこで先生方には、授業の流れを切らさずに、家庭学習を含めたシームレスな単元計画をお願いしています。例えば子供たちが家庭でオンラインのドリル学習をしたとして、先生はその学習データを見て、次の日の授業内容を再構成するといったように連続性を持たせます。子供たちの学習状況を把握した上で授業を進めることにより、より質の高い教育が実現できるのではないかと考えています。

初出:2021年1月19日発行「日経パソコン 教育とICT No.15」