海女の後継者不足の課題を解決しようと、三重県立鳥羽高等学校の2年生4人が海女の魅力を発信するバーチャルリアリティー(VR)映像を制作した。2020年1月17日には、東京・日本橋と三重県鳥羽市で、映像制作の取り組みについて発表する記者会見を開催。完成した作品は鳥羽市立 海の博物館などで公開している。

記者会見の会場でVR映像を紹介する三重県立鳥羽高等学校の生徒。スクリーンには、ゴーグルで見えている映像を映し出している

 VR映像は、鳥羽高校の2019年度の授業「鳥羽学」の中で制作した。鳥羽学は、地元の鳥羽をテーマにした1年間の地域学習で、文理進学系列の2年生が授業に参加している。また、鳥羽市役所や地元の活性化に取り組んでいる「鳥羽市地域おこし協力隊」なども授業を支援。2019年度は、「VR映像の制作」「施設や店舗に設置する看板の制作」「ショートムービーの制作」「まち歩きマップの制作」の4つの班に生徒が分かれて活動した。このうち、VR映像の制作には4人の生徒が参加。VR映像の制作などを手掛けるアルファコード、パソコンメーカーの日本エイサー、日本マイクロソフトなどの企業が活動に協力した。

 生徒が制作したVR映像の長さは約5分。360度カメラで撮影した映像を基に、生徒自身がパソコンで編集して完成させた。VR用のゴーグルを装着すると、海中での海女漁の様子や、漁の準備風景、ベテランの海女の体験談などを臨場感豊かに視聴できる。海中での撮影は、地域おこし協力隊のメンバーで、海女としても働いている上田茉莉子さんが担当した。上田さんは千葉県の出身。地域おこし協力隊に応募して、2018年に都内の企業を退職し千葉県から鳥羽市に移住してきた経歴を持つ。鳥羽学では、海女について調べるフィールドワークなども手伝った。

VR映像の一部。海中での海女漁の様子を臨場感豊かに視聴できる。見る向きを変えると、映像も変化する
海女が漁の準備をしたり、体を休めたりする海女小屋の様子も体験できる

 VR映像は、鳥羽市立 海の博物館で体験できる。また、アルファコードのVRコンテンツ配信プラットフォーム「Blinky」(ブリンキー)でもVR映像を配信している。Blinkyの配信映像は、Webブラウザーやスマートフォンの専用アプリでも視聴できる。

映像を配信しているVRコンテンツ配信プラットフォーム「Blinky」のページ