高校生が制作したVR映像を体験して、海女に興味を持ってほしい
鳥羽市地域おこし協力隊、海女 上田茉莉子氏
 今回、生徒の皆さんと授業やフィールドワークなどで、VR映像の制作に向けて、1年間一緒に活動してきました。彼女たちは、海女文化を学びながら鳥羽の魅力をどのように伝えていくのかを一から考えていきました。途中から目に見えてやる気が出て、楽しみながら取り組んでいました。この経験がみんなの成長につながったと感じています。

 私自身は、初めて経験したVRの水中撮影が印象に残っています。天気が良くて海が濁っていない日を選んで、何度も海に潜りました。海藻があって魚がいて、海女が漁をするシーンをどうやったら撮影できるのかを考えながら、360度カメラを設置するのに適した岩場を苦労して探しました。VRでの水中映像は、実際に潜っているのと同じような臨場感があります。映像を見た高校生が「すごい、海の中ってこうなってるんだ」と言ってくれて、とてもうれしかったです。

 海女の文化は今まであまりオープンになっていませんでした。海女が潜っているところを見てもらうことも不可能でした。今回のVR映像に登場するベテランの海女のインタビューからは、自分で採ったものを売っているという海女のプライドや充実感も伝わってきます。高校生が作った映像を体験して、海女に興味を持ったり、海女が命を懸けて潜っていることを知ったりしてもらえるとうれしく思います。(談)
VRは体験型のコンテンツ、教育での可能性を実感した
アルファコード 代表取締役社長 CEO 水野拓宏氏
 「鳥羽学」では、VRコンテンツの企画の進め方や撮影方法などについて授業をしました。初めての試みとして、VR内での授業も実施しました。VR映像については、私たちはやり方を伝えただけで、撮影には参加していません。映像をどうつなげてどんなストーリーにするかは、高校生が考えました。出来上がった作品を見たときには感動しました。

 VRは体験型のコンテンツです。VR映像を見る人の体験を想像しながら作品を作ることが大切です。高校生は、今回の活動を通じて「体験型の表現」を実践できたのではないでしょうか。また、VRという最新技術を身近な課題に活用するスキルも身に付けてくれました。

 今回の企画を通じて、教育でのVRの可能性を改めて実感しました。こうした取り組みが全国に広がれば素晴らしいですし、機会があれば私たちも全力で協力したいと思います。(談)