日本マイクロソフトは2020年2月4日、教育機関向けのソリューション「GIGAスクールパッケージ」を発表した。構成内容は、(1)GIGAスクール対応パソコン、(2)GIGAスクール構想に対応した教育プラットフォーム、(3)MDMによる大規模な端末展開とアカウント管理手法の提供、(4)教員研修の無償提供、(5)「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に対応可能なクラウド環境の5つだ。

 2019年12月に文部科学省が発表した「GIGAスクール構想」は、高速な校内ネットワークの整備と小中学生1人に1台のコンピューターを配備するという思い切った政策。予算規模は2019年度の補正予算案だけでも2318億円と、文教関係としては異例に大きい。これに向け、日本マイクロソフトをはじめ、パソコンメーカーやネットワーク機器メーカーが一斉に動き出した。

「GIGAスクール構想」の概要(出所:「日経パソコン 教育とICT」2020年冬号)

 (1)のGIGAスクール対応パソコンを実現するため、日本マイクロソフトはパソコンメーカー向けに特別な低価格ライセンスを提供する。GIGAスクール構想では、学習用のコンピューター1台につき4万5000円の補助金が出る。このため、端末価格も税込み4万5000円が目安として意識されるが、Windowsパソコンでそこまで安い製品は限られている。これに対して競合するアップルの「iPad」や米グーグルの「Chrome OS」を搭載したChromebookには4万5000円に収まるモデルがある。そこで、Windows 10のライセンス料金を引き下げて製品価格を抑えることで、価格でも対抗できるWindowsパソコンを提供していくのが狙いだ。日本マイクロソフトで業務執行役員を務める中井陽子氏は、「4万5000円を踏まえ、OEMメーカーだけに汗をかいてもらうのではなく、マイクロソフトも協力していくということでの特別価格だ」と説明する。

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部長の中井陽子氏。手に持つのは米マイクロソフトの教育に対する取り組みをまとめた冊子

 「GIGAスクール対応PC」と称するパソコンは、Dynabook、NEC、デル、日本エイサー、日本HP、富士通、マウスコンピューター、レノボジャパンが合計17機種を販売する。これらに加えて日本マイクロソフトも、「Surface Go」を通常より4000円安い4万3800円(税別)で販売する。

発表会場で展示していたDynabookの「dynabook K50」。取り外し可能なディスプレイ部にカバーを装着した状態

端末管理機能を強化して巻き返し

 ここ数年、国内の学校でもChromebookの導入が増えているのは、価格が低いことに加えて、大量の端末管理やOSの更新に手間がかからないことを、現場の教員が高く評価しているからだ。裏を返せば、Windowsパソコンはそこが弱点だと認識されている。日本マイクロソフトは、今回のパッケージにおいてMDM(モバイル端末管理)による大規模な端末展開とアカウント管理手法の提供により、従来の問題を解決するという。具体的には、同社のクラウドサービスと管理ソフトの「Intune」を組み合わせ、多くの端末を迅速に配備し、Windowsアップデートなどの管理も自動化する。

日本マイクロソフトが提案する大規模端末展開とアカウント管理の手法
(出所:日本マイクロソフトの発表スライド)
Windows 10はアップデートが厄介というイメージを払拭する解決法を提示
(出所:日本マイクロソフトの発表スライド)