国立極地研究所(極地研)は例年、「教員南極派遣プログラム」を実施している。これは、教員が南極・昭和基地に滞在し、南極から衛星中継を使って授業を行う「南極授業」に携わる取り組みだ。2021年度は、2人の教員が第63次南極地域観測隊(夏隊)に参加した。そのうちの一人、宇都宮大学共同教育学部附属小学校の渡邊雅浩教諭が2022年2月4日、同小学校と同中学校に向けて約1時間の「南極授業」を実施した。その模様を紹介しよう。

 授業は、小学校1年生から中学校3年生までを対象に一斉に行った。小学校の5年生は体育館、そのほかの児童・生徒は各教室から参加した。昭和基地と学校とは衛星回線とインターネットを利用して接続。通話には「Zoom」を用いた。

 渡邊教諭の中継は、昭和基地の前から始まった。温度計を映し出して気温がマイナス2度であることを紹介した後は、基地の中に入り、カメラで中継しながら基地内の施設を紹介した。

宇都宮大学共同教育学部附属小学校の渡邊雅浩教諭。昭和基地の前から授業を開始した
宇都宮大学共同教育学部附属小学校の渡邊雅浩教諭。昭和基地の前から授業を開始した
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同附属小学校の5年生は体育館で授業に参加。ほかの学年の児童と同附属中学校の生徒は教室から参加した
同附属小学校の5年生は体育館で授業に参加。ほかの学年の児童と同附属中学校の生徒は教室から参加した
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昭和基地の中を案内する渡邊教諭
昭和基地の中を案内する渡邊教諭
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隊員向けの食事を用意する調理場
隊員向けの食事を用意する調理場
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 授業は、テーブルの上の液晶ディスプレイに写真や図を映しながら進めた。渡邊教諭が最初に説明したのは、南極観測船「しらせ」での体験だ。乗船した「しらせ」が日本を出発したのは2021年11月10日。その後、1カ月以上かけて航海し、12月19日に昭和基地に接岸した。渡邊教諭は公開中に体験したオーロラや白夜、ペンギンやアザラシなどの野生動物を紹介した。

液晶ディスプレイに写真や図を映しながら授業を進めた。学校の体育館や教室とはZoomで接続
液晶ディスプレイに写真や図を映しながら授業を進めた。学校の体育館や教室とはZoomで接続
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南極観測船「しらせ」で昭和基地に向かう途中に渡邊教諭が体験したオーロラ
南極観測船「しらせ」で昭和基地に向かう途中に渡邊教諭が体験したオーロラ
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一日中太陽が沈まない「白夜」について説明
一日中太陽が沈まない「白夜」について説明
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