NECは2021年2月25日、GIGAスクール構想で進む学校のICT環境整備に対応し、教育クラウド「Open Platform for Education」 (OPE)をはじめ、学習者用端末、教育支援サービスなどの製品群を拡充すると発表した。

 GIGAスクール構想対応の学習者用端末として、同社Chrome OS搭載の「Chromebook Y2」とWindowsパソコンの「VersaPro Eシリーズ タイプ VR」を提供しており、既に100万台以上の納品が完了したという。2020年度末までの最終納品数はさらに積み上がる見込みだ。端末の比率は「Chromebookが圧倒的に多かった」(同社)。

 今回、同時多数接続と大容量通信が可能なWi-Fi6(IEEE 802.11ax) への対応に加え、本体に収納可能な充電式デジタイザーペンやHDMIポートを搭載した新モデル「Chromebook Y3」(2021年6月出荷予定)とWindows 10搭載の「VersaPro Eシリーズ タイプ VR」(2021年8月出荷予定 )を発表した。

「Chromebook Y3」は、360度回転する液晶ディスプレイを備えたノートパソコン。Wi-Fi 6対応の無線LAN機能に加え、LET通信搭載モデルも用意する

 教育クラウドでは、ドリル教材や英語力を鍛える教材、プログラミング教材などをシングルサインオン(SSO)で利用できるOPEを2020年7月から提供している。同社初中等教育マーケット担当部長の田畑太嗣氏は「OPEの導入は5000校以上で、学習者向けID発行数は約150万IDにのぼる。国の小中学校・高等学校の合計が約3万5000校と言われるので、導入数は想定よりも多かった」と話した。

OPEの機能を強化し、デジタル教科書への対応や、文部科学省の「学びの保障学習オンラインシステム」への接続も進める
出所:NECの発表資料

 OPEは学習者用デジタル教科書への対応や各種デジタル教材の拡充を実施。文部科学省が推進する「学習eポータル」の仕様に準拠する。政府は、学校の臨時休業などの緊急時でも、児童・生徒の学びを保障する仕組みとして、学びの保障学習オンラインシステム「MEXCBT」の構築を進めている。これと連携するシステムの入り口が学習eポータルで、児童・生徒はデジタル教科書やデジタル教材などを利用できるようになる。また、教員は児童・生徒の学習進度を把握したりサポートしたりでき、保護者は子供の学習状況を知ることができる。今後、MEXCBTとの接続や学習eポータルとしての機能を強化し、文部科学省から2021年度以降に予定される指針が提示され次第、順次提供を開始する。

OPEでは、学習状況を見える化する「ダッシュボードサービス」も2021年度中に追加する
出所:NECの発表資料

 2019年6月に提携した教科書取次の日教販との協業を通じて、主要教科書会社の学習者用デジタル教科書に対応する。さらに、デジタル教材会社10社以上と連携し、ドリル教材に加え、電子辞書アプリや学習支援ツールなどを拡充する。

 機能面では、デジタル教材による学習や学習成果を見える化する「ダッシュボードサービス」機能を実現する。これにより、児童・生徒はドリル教材の学習記録や学力テストの結果、 宿題の提出状況などを確認でき、経年変化や弱点を把握して、効率的に学習を進めることができるようになるという。 教育委員会や学校は、どの教材が多く使われているかを把握でき、指導に効果的なコンテンツを教員間で情報共有することも可能としている。

 2022年度以降は、協働的な学びを「見える化」して授業や生徒の成長をサポートする機能を追加する。具体的には、協働学習の見える化をする「協働学習支援サービス」と、探究学習の見える化をする「オンラインPBLプラットフォーム」、多様なキャリアを歩む社会人との進路相談や面談を可能にする「オンライン進路相談プラットフォーム 」だ。こうした取り組みにより、教育ICT事業でシェア3割を獲得し、2021年度から2025年度までの累計で約1000億円の売り上げを目指す。