2021年は教育データ利活用元年になる─GIGAスクール構想の前倒し整備が決まってから、そんな期待の声が聞かれるようになった。2020年度中に高速な校内ネットワークと全ての小中学生にコンピューターが配備される。各自の端末があれば、学習履歴や成績などの情報を収集・分析することで、児童・生徒一人ひとりに最適な学習環境を提供したり、ビッグデータ解析によって授業や教育行政を改善したりできると言われる(図1)。

教育データ利活用の機運が高まる
図1 GIGAスクール構想による1人1台端末や大学のオンライン授業によって、学習者一人ひとりのデータが収集可能になったことで、教育データ利活用の動きが出てきた

 大学でも、ラーニングアナリティクス(学習分析)への関心が高まっている。授業がオンライン化され、LMS(学習管理システム)の利用率が飛躍的に高まったことで大量の履歴データがたまり、それを分析した結果の報告が相次いだ。

 行政の動きも活発化してきた(図2)。文部科学省は2019年に発表した「柴山・学びの革新プラン」の中で教育ビッグデータの活用や「個別に最適な学び」といったビジョンを打ち出した。GIGAスクール構想が実現してからは、教育データの標準化にも動き出した。また、2020年9月には日本学術会議が「教育のデジタル化を踏まえた学習データの利活用に関する提言」を発表している。

※「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」

教育データ利活用のサイクル
図2 学習者の多様なデータを収集、分析し、AI(人工知能)などの力も借りつつ、学習や授業の改善に役立てるのが、教育データの利活用だ