個別最適化学習とは

 学習者によって、学習方法や速度には少なからぬ違いがある。例えば、大学の授業についていけない学生を放置すれば、ドロップアウトから退学に至る恐れもある。そうした情報を教員に提供してくれるのがLAだ。だが、そのデータを見て学習者ごとに細かな指導をするのは骨が折れる仕事だ。そこを自動化するのがICTによる個別最適化学習だ(図4)。

個別最適化学習教材の例
個別最適化学習教材の例
図4 AI 型教材の「Qubena」(COMPASS)は、全ての 問題を細かい要素に分解した上で、それぞれに学習概 念を付与している。解答が間違っていた場合、どんな学 習概念を理解していないかが分かる
[画像のクリックで拡大表示]

 放送大学 教授の山田恒夫氏は「学習者にとって無駄がない快適な学習法が個別最適化学習」だと説明する。通常、学校ではクラスの全員が同じように学ぶが、「本来、学習は一人ひとり多様なもの」(山田氏)だ。学習者一人ひとりの多様な学びに教員が全て対応するのは困難だが、AI(人工知能)などの技術を取り入れて自動化すれば、学習者ごとに快適な学習方法や教材を提示できる。

山田 恒夫氏
放送大学 教授、総合研究大学院大学 名誉教授
山田 恒夫氏 「公正で個別最適化された生涯学習を実現するデジタル・エコシステムの研究」など、eラーニングや学習解析の研究を続けている。日本IMS協会の理事も務める
中村 めぐみ氏
つくば市総合教育研 究所 兼 教育指導課 情報担当指導主事
中村 めぐみ氏 つくば市のプログラミング教育やICT活用教育の推進に尽力。「教育データの利活用に関する有識者会議」の委員を務める

初出:2021年1月19日発行「日経パソコン 教育とICT No.15」