グーグルは2020年3月17日、国が主導するGIGAスクール構想に対応した「Google GIGA School Package」を発表した。このパッケージは、「Chromebook」、クラウドベースの学習プラットフォーム「G Suite for Education」、導入を支援する研修サービス「Kickstart Program」の3つで構成される。

 Google for Educationのディレクター、ジョン・ヴァンヴァキティス氏は「これまで10年にわたって多くの自治体、教育委員会と、教育をどうやって変革するか話してきた。GIGA School Packageでは、もう一度教育システムを再構築していくことを考えていく」と話した。

グーグルはGoogle GIGA School PackageのWebサイトを開設した

 グーグルによると、Chromebookはこれまで全世界で4000万台以上が使われ、米国の教育市場のおけるシェアは60%以上としている。ほかにもニュージーランド、スウェーデン、カナダ、オランダでも広く使われているという。国内では、GIGAスクール構想で規定する端末の補助金額1台につき4万5000円で導入できる端末が6メーカーから14機種提供される。

 グーグルは、Chromebookは汎用性が高くシンプルな構成が特徴で、高速起動により授業をスムーズに始めたり、長時間駆動できたりするため、教育市場に理想的な端末だと主張する。さらに、GIGAスクール構想の端末整備としてChromebookを採用した自治体を対象に、同一ドメイン内の複数端末を遠隔地から一括管理できる「Chrome Education Upgrade」を無償提供する。ネットワーク上の全て端末に対するアプリやソフトウエア管理、拡張機能の追加、無線LAN設定やユーザーのアクセス制限など250以上のポリシー設定が可能で、GIGAスクール構想で見込まれる多数の端末管理を効率的に実現できるようにして、導入自治体の手間を削減する。

 共同学習・遠隔教育が可能なクラウドベースの「G Suite for Education」は、全世界で9000万人が利用しているという。文書作成や表計算、プレゼンテーションやメール、クラウド上のストレージなど各種ツールが無料で使える。また、クラスの作成や、生徒への課題の出題、採点のフィードバックなどを一元管理できる「Google Classroom」も提供される。

 今回新たに発表したのが「Kickstart Program」。グーグルのソリューションを導入する都道府県や市町村に対して、パートナー企業と協力して無償の現地研修を提供する。Chromebookの設定や授業での活用方法といった教員のスキルアップにつなげていく。

 今回の発表会に出席した文部科学省 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課長の高谷浩樹氏は、GIGAスクール構想の意義を説明するとともに、「学校現場の学びにICTを活用していくことを積極的にアピールしていく」と話し、グーグルなどの企業にも支援を求めた。

 経済産業省 サービス政策課長・教育産業室長の浅野 大介氏は、「経済産業省では、2018年から新たな学習プログラムの開発・実証を行う「未来の教室」実証事業を進めてきた。学びのSTEAM化、学びの個別最適化、1人1台パソコン環境を実現し、さまざまな社会課題をICTを活用しながら解決していく」と意欲を示した。

 2017年からChromebookを導入してきた町田市 教育委員会 指導室長 研指導課長の金木圭一氏は、「機器は学習のためのツールであり、目的ではない。大切なのは授業の狙いであって、効果的に活用すること」と話した。グーグルのソリューションを導入することで生徒の学びや教員の指導法を変え、情報活用能力の育成を図ることに期待しているという。