パソコンによる作曲の授業を体験して——

クラス全員で意見を出して、1つの曲を作ってみたい
授業を受けた1年1組の3人。左から、柴田さん、箕輪さん、田村さん
パソコンによる作曲の授業を体験して——

柴田さん:パソコンで作曲するというのは聞いたことはありましたが、自分でできるとは思っていなかったので、作曲すると聞いた時にはびっくりしました。小学校の部活がパソコン部だったので、パソコンの操作は難しくなかったです。自分では演奏できないような難しい曲でも勝手に演奏してくれるのが楽しかったです。今回は1種類の楽器の音で作曲しましたが、次はいろいろな楽器のパートを作って、合奏のようにしてみたいです。(談)

箕輪さん:小学校では、パソコンではなくタブレットを使っていたので、最初はキーボードやマウスを使うのが難しかったです。先生が授業でマクドナルドの店内や駅で流れるチャイムを紹介してくれた時に、曲がどの音符で出来ているのかを楽譜に並べてみたのが楽しかったです。今回は2人で作曲しました。5人ぐらいで作曲すると、もっといろんな意見が出るのではと思いました。(談)

田村さん:パソコンが苦手で最初はどうしようかと悩んでいましたが、曲が出来上がったら達成感がありました。とりあえず作った曲の音符にフラットやシャープを付けて工夫すると曲が変化していくところが楽しかったです。クラス全員で意見を出して、誰かが代表してパソコンを操作して、1つの曲を作ってみたいなあと思いました。(談)
パソコンを使うことで、表現に対する生徒の不安がなくなった
獨協埼玉中学高等学校 非常勤講師 相原結氏 
 ICTを利用することで、授業で創作を扱う際の難しさの壁を乗り越えることができました。「チャイム」を題材にしたのは、子供たちの生活に近くて、簡単で短いからです。新しい学習指導要領にある「思いや意図に基づく、生活と関連した創作活動」も実践できたと感じています。

 「Muse Score」は、もともと私自身が演奏活動の中で使っていました。楽譜上に音符を置いて視覚的に確認できて、簡単に音を再生できるので、これほど創作に向いているソフトはないだろうと思っていました。最初から完璧に曲を作ろうとすると難しくなります。パソコンの良いところは、とりあえず作ってみて、次の段階で工夫ができる点です。紙と鉛筆だと書いたり消したりしているうちに分からなくなりますが、パソコンだと簡単に音を変えられます。

 「リコーダーを吹いてごらん」「楽譜を読んでごらん」と言うと、失敗するのが嫌で自信なさげな生徒が多くいます。作曲の授業では、そういう生徒がいませんでした。パソコンを使うことで、良い意味でパソコンのせいにできて、表現に対する不安がなくなったという感じがします。表現が簡単になったことから、もっとこうしたいという工夫がどんどん生まれていました。

 授業後のアンケートでは、「創作の授業が楽しかった」と答えた生徒が97%もいました。「また作曲してみたい」と答えた生徒も83%いました。授業を通じて、「音とイメージの関係」や「協力して作品を作る楽しさや難しさ」も学んでもらえたと思います。

 時間をもっとうまく使えれば、和声や作曲の規則などを学んでから作曲に取り組むことができるのではと感じました。「リズム」「メロディ」「ハーモニー」の3つのグループに分かれて作曲して、3つの曲を同時に再生して作品を作るといった授業も面白いのではないでしょうか。(談)

日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)の「ICT夢コンテスト2019」の結果