デジタル教科書にふさわしい検定制度が必要

 児童・生徒1人1台のコンピューターが整備され、学校だけでなく自宅など学校外からの利用が増え、デジタル教科書もパブリッククラウドから配信することが予想される。安定的な運用体制を確立するため、2021年度に実施する予定のデジタル教科書のクラウド配信に関するフィージビリティ検証事業も活用しつつ十分に検討すべきと提言した。

 デジタル教科書をクラウド配信で供給する場合、紙の教科書とは異なり、教科書が手元に常に残るわけではない。紙の教科書からデジタル教科書に移行した場合、オフラインでも使用できるようにする仕組みの検討や、過年度の教科書を使用できるようにライセンス期間や費用についての検討を求めた。

 教科書制度に関しては、デジタル教科書にふさわしい検定制度の在り方が必要で、内容に関する検定のほか、標準的な機能や規格に関する基準を満たすことの確認や、障害のある児童・生徒のアクセシビリティについての確保も含めて検討が必要とした。

 現在、2024年度に本格導入するデジタル教科書は編集作業が進められ、2022年度の検定と2023年度の採択に向けて準備が進んでいる。このため、本格的なデジタル教科書の検定制度の見直しは、次々回の検定サイクルを念頭に進めるのが適当とし、2024年度に導入されるデジタル教科書は、紙の教科書の内容と同一性を維持することが基本とした。

 デジタル教科書の使用については、下の表にある5通りの組み合わせを例示した。

学習者用デジタル教科書と紙の教科書の併用例
学習者用デジタル教科書と紙の教科書の併用例
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 現在、紙の教科書は国費による無償給与だが、全国的な実証研究の成果やデジタル教科書の普及状況を踏まえ、デジタル教科書を無償措置の対象にすることなどについても検討が望まれるとしている。

 文部科学省はデジタル教科書・教材の活用促進について専門的な検討を行うことを目的に「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」を2020年6月に設置。2021年7月末までを開催期間としている。