これからの教員には統計学や数学の資質が必要

小崎 教育データを取れるようになると、生徒がこの時間にログインして何時間の学習をし、試験の直前にどのように勉強をしたかが見えてきます。すると、試験の点数との相関関係も分析できます。それも、子供も先生もそれぞれが分析できる。成果を出している子供の勉強の仕方を分析したり、良い教材は何かが分かったりすると思います。

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中村 AIドリルの良さはそこにあります。目標に効率的にたどり着くためにどのような学びをするかは、学習力の高い子供の勉強のプロセスにヒントがあると思います。学習が遅れている子供は、学力の高い子供に比べて、遠回りのプロセスを通って見当違いの勉強しているのではないかといったことを分析でき、教員が修正してあげることができる。こうしたことができるようになると、今度は教員がデータを読み取って分析する能力が問われるようになります。

小崎 教員は、統計学や数字による分析、問題解決といったことを学んできませんでしたが、教員の資質として今後、絶対に必要になってきますよね。

中村  今までの教師の勘とか、子供たちの会話の中から感じるちょっとした「あれっ」と思う感覚というのが、教員の情報活用能力を高めていくことで、子供の課題に気が付いてフィードバックできるようになると思うのです。ただ、教育データの分析やそれに基づいた指導をするには、教員養成大学から変えていく必要があるのかもしれません。

つくば市立谷田部南小学校では、電子黒板と学習用端末を使い算数の双方向学習を実践
つくば市立谷田部南小学校では、電子黒板と学習用端末を使い算数の双方向学習を実践
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小崎 結局はそこですよ。子供たちが自律的に勉強することを目指しても、それができているのか、いないのかを見極められる情報活用能力がないと判断できないわけです。

中村 でも、教員養成課程でそうしたデータ活用能力が必要だという議論や変化が進んでいないのではないでしょうか。

小崎 それは、教育学の専門家はいても、教員養成の専門家はいないからだと思います。教職課程は今後変わるそうですが、改革に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。