楽天モバイルは2020年3月30日、全国の国公私立の小中高校などを対象に、政府が提唱する「GIGAスクール構想」に対応した「GIGAスクール構想支援プラン」を発表した。校内ネットワーク構築を支援しながら、自社の基地局整備を進める。

 

 文部科学省が進めるGIGAスクール構想では、児童生徒1人にコンピューター1台を配備するとともに、校内の通信環境を整備していく。同プランでは、楽天モバイルの基地局を学校の敷地内に設置する代わりに、学校までの光回線を原則として無償提供し、学校側は校内通信ネットワーク構築に活用できる。

 

 楽天モバイルは、第一弾として千葉市と同プラン提供の協定書を締結し、千葉市内の各学校での通信ネットワーク整備を行う。将来的には5Gを生かした先進的な教育環境の実現に向けて支援していくという。

「GIGAスクール構想支援プラン」の利用で合意した千葉市の熊谷俊人市長(左)と楽天モバイル山田善久社長。写真提供:楽天モバイル
 

 同社は4月8日、無制限のデータ通信と通話ができる携帯キャリア(MNO)サービス「Rakuten UN-LIMIT」を始めるが、自社回線が利用できるのは基地局整備が進む東名阪の一部地域に限られている。それ以外の自社エリア外はKDDから回線を間借りしているため、データ通信の上限が月間2GBまでに制限されており、自社エリア外の早急な基地局整備が大きな課題になっている。

 

 携帯電話の基地局を整備するには、設置場所を探して所有者と交渉した上で設置工事を行い、設置後も保守・点検の作業などを行う必要があり、時間と手間がかかる。楽天モバイルにとっては、学校の敷地内を活用することで設置場所を探す手間などを減らすことができる。

 

 GIGAスクール構想では校内ネットワーク整備も補助されるが、1人1台整備される学習者用端末からの通信データ量を支えるには、高速通信インフラが欠かせない。学校までの光回線を無償で提供するという楽天モバイルの申し出は、限られた予算内でネットワークを整備したい学校にとっては渡りに船だった。

 

 同プランは、GIGAスクール構想の対象となる全国の国公私立の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校を設置する地方公共団体および学校法人に向けたもので、当面4月28日まで申し込みを受け付ける。