ICT活用教育を推進する自治体の首長で構成する全国ICT教育首長協議会は2021年4月7日、横尾俊彦会長(佐賀県多久市長)と役員が文部科学省を訪れ、GIGAスクール構想で小中学校の児童・生徒1人1台環境が整備されたことを受け、ICTを活用した新しい学びや環境整備に関する提言書を萩生田光一文部科学大臣に手渡した。

萩生田光一文部科学大臣(写真中央)に「提言2021」を手渡す全国ICT教育首長協議会の横尾俊彦会長(左)と、同協議会の特別顧問を務める茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校の毛利靖校長(右)
萩生田光一文部科学大臣(写真中央)に「提言2021」を手渡す全国ICT教育首長協議会の横尾俊彦会長(左)と、同協議会の特別顧問を務める茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校の毛利靖校長(右)
[画像のクリックで拡大表示]

 同協議会には、全国131の市区町村の首長が加盟していて、これまでコンピューター整備のための地方交付税交付金の増額や、現在のGIGAスクール構想実現の基礎となる1人1台PCの整備を文部科学省に提言してきた。

 今回提出した「提言2021」では、「コロナ禍で加速している『デジタルによる社会構造改革』と、その実現のために変革が必要な学校のICT教育を一過性のものに終わらせず、未来にふさわしい新しい学校教育を実現するICT教育の充実・発展を提言」した。

提言2021は大きく3つの内容に分かれ、ICT活用教育を進めるための財政的支援や人的支援、環境整備などを求めた
提言2021は大きく3つの内容に分かれ、ICT活用教育を進めるための財政的支援や人的支援、環境整備などを求めた
[画像のクリックで拡大表示]
 

 提言内容は大きく3つに分かれる。提言1は「継続して進化するDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現」。日々進化するデジタル技術を浸透させることでDXを推進するために、ICT教育環境の充実に取り組むことを求めた。

 提言2は「未来にふさわしい新しい学びの創造と実現」。GIGAスクール構想が新たに進む学校現場の不安を解消し、未来にふさわしい新しい学びを効果的に実現するため、ICT活用教育の充実に向けて支援を求めた。

 提言3は「21世紀型スキルなど世界的潮流に匹敵する新たな教育の充実」。世界の潮流に劣らぬ取り組みを行わなければ国としての繁栄も国民の充実した人生実現やライフシフトもかなわないという危機感の下、今後の教育充実のための戦略的研究の重要性を指摘した。

 文部科学省での懇談後に質問に応じた同協議会の横尾会長は「萩生田大臣ともICT教育の重要性について認識を共有できた。萩生田大臣はGIGAスクール構想によるICT整備が完了していない自治体に直接電話をかけ、整備を促したそうだ。今回の整備で終わるのではなく、端末の更新時にも中長期的な予算の確保と継続的で持続的なICT教育の充実も求めた」などと会談の内容を明かした。

 会談の中で、GIGAスクール構想によりOSベンダーやパソコンメーカーにとっても国内に新しい巨大な市場が出来上がったことから、より良いICT活用教育を実現していくため各社に協力を求めているとの話が出たという。また、2021年9月1日にデジタル庁が創設され、教育に利用できる国づくりやインフラ整備についても多くのアイデアを聞いているところだなどと話した。