政府は2021年3月29日、内閣府の規制改革推進会議で決定した「当面の規制改革の実施事項」のうち、「教育現場におけるオンライン教育の活用」について取りまとめ、規制改革担当の河野太郎特命担当大臣と、萩生田光一文部科学大臣の両名併記で公表した。

 2020年12月22日に開催された第9回規制改革推進会議で、「当面の規制改革の実施事項」として挙げていた「オンライン教育」に関して詳細をまとめたもの。規制改革の実施事項では、ほかにも「行政手続における書面・押印・対面の見直し」や「一般用医薬品販売規制の見直し」「テレワークの普及・促進」「規制のデジタル・トランスフォーメーション」などを挙げている。

 政府はGIGAスクール構想の実現に向け、小中学校での1人1台端末の整備とともに、高等学校でも端末を整備するなど、ICTをこれからの学校教育を支える基盤的なツールとして活用する環境を整えている。 こうしたICTの環境整備を生かし、児童・生徒の発達段階に応じて、オンライン教育を有効活用することで、教員が児童・生徒に寄り添い、質の高い教育が行われなければならないとした。

オンラインを活用した児童・生徒に寄り添う質の高い教育の実現のために、「時間・場所・教材等が限られた学び」を「時間・場所・教材等に制約されない個別最適な学びや協働的な学び」に変えていく必要があるとしている
出所:「教育現場におけるオンライン教育の活用」に関する取りまとめ参考資料

 さらに、新型コロナウイルス感染症対策だけでなく、その他の感染症や災害発生時などの非常時に登校できない児童・生徒の学びを保障することが必要とした。 そのため、教育現場でのオンライン教育の活用について取り組み内容を列挙した。

「教育現場におけるオンライン教育の活用」で進める取り組み内容

  取りまとめは「1. オンラインを活用し、教師がより児童・生徒に寄り添う質の高い教育の実現」「2. 学習者用デジタル教科書の普及促進」「3. 感染症や災害の発生等の非常時にやむを得ず学校に登校できない場合の学びの保障」の3つの分野に分かれる。

 1の「質の高い教育の実現」では、(1)学校現場の創意工夫の促進(2)不登校児童・生徒、病気療養児に対する学びの保障(3)高等学校におけるオンライン教育(4)大学におけるオンライン教育について具体的な取り組み内容をまとめた。

 2.の「デジタル教科書の普及促進」では、学習者用デジタル教科書の使用を各教科の授業時数の2分の1に満たないこととする現行基準を撤廃するとともに、学校現場でデジタル教科書の普及を促進する。一方で視力低下の防止など健康面に配慮し、健康面での留意事項についても周知する。

 3の「学びの保障」については、小中学校から高等学校、大学まで、2020年は感染症対策で特例措置として実施したオンライン学習など在宅学習を評価に反映することなど、将来の感染症や災害対策でも同様の対応を可能にする。