日本マイクロソフトは2021年4月15日、教育市場での最新の取り組みについて説明会を開催した。同社の業務執行役員パブリックセクター事業本部文教営業統括本部 統括本部長の中井陽子氏が、GIGAスクール構想をきっかけに大きく変わりつつある日本の学校現場の状況と、1人1台環境をより活用してもらう方策などについて説明した。

 2020年度はGIGAスクール構想で小中学校1人1台のコンピューター端末が整備されたことで、パソコン市場は急拡大した。日本マイクロソフトは、290万〜300万台のWindowsパソコンが学校現場に導入されたとみている。GIGAスクール構想で整備された端末の35〜36%程度のシェアになるという。同社ではグーグルのChrome OSを搭載したChromebookが40%強、アップルの「iPad」が20%と、市場を3分したと推定している。

 世界各国の教育市場での1人1台環境の整備状況に関する同社調査では、これまで米国が圧倒的に進んでおり、オーストラリア、英国や欧州諸国などが続いていた。ところが、GIGAスクール構想で一気に整備が進んだことで、日本が米国に次ぐ2位の市場になったという。

ICT活用を進める教員向けにポータルサイト「Microsoft Education授業・学校活用素材集」を2021年6月に公開する
ICT活用を進める教員向けにポータルサイト「Microsoft Education授業・学校活用素材集」を2021年6月に公開する
(出所:日本マイクロソフトの説明会資料)
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 GIGAスクール端末活用のため、教員向けポータルサイト「Microsoft Education授業・学校活用素材集」を2021年6月に公開する。授業などの実践例や教材、指導案を提供し、文部科学省の教育ポータル「StuDX Style」とも連携していくという。また、地域に根ざした教職員のオフライン/オンラインコミュニティーとして「Microsoft Educator Local Community」も運営していく。

児童・生徒が学びに活用できるコンテンツ集「Hacking STEM」を2021年4月から提供開始した
児童・生徒が学びに活用できるコンテンツ集「Hacking STEM」を2021年4月から提供開始した
(出所:日本マイクロソフトの説明会資料)
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 児童・生徒が学びに活用できるコンテンツとしては「Hacking STEM」を2021年4月から提供開始した。「地球の衛星写真を分析して気候変動を予測」「地震データを可視化し、地震の影響を分析」「風力発電の発電量を計測し、効果的な風車の形状をデザイン」といった具体例を基に、ICTを活用した探究型学習ができる。既に200カ国以上の学校現場などで活用されているSTEM教育コンテンツ集の日本語版で、教員用の授業ガイドや指導案、生徒用の自主学習用ガイド、データ分析用のワークシートなどを提供する。

 最先端のテクノロジーを学ぶ無償コンテンツを集約した大学向けポータルサイト「MS Learn」も提供する。文理横断型でICTについて体系的に学習できるプログラム。米国ではカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)やカーネギーメロン大学のカリキュラムで使われているという。日本では東京工科大学や全国40校の専門学校を運営する滋慶学園 COMグループが導入した。

高校生の1人1台の学びを支える取り組みなどを紹介する情報サイト「きみの学びが、世界を変える。」を2021年4月15日に開設した
高校生の1人1台の学びを支える取り組みなどを紹介する情報サイト「きみの学びが、世界を変える。」を2021年4月15日に開設した
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 今後1人1台環境の整備が進む高等学校に向けては、日本独自の取り組みとして高校生の学びを支える情報提供サイト「きみの学びが、世界を変える。」を2021年4月15日に開設した。生徒主体の新しい学びの取り組み事例や高校生活と学びを支援するコンテンツ、マイクロソフトの取り組みを紹介するコンテンツなどを提供する。