GIGAスクール構想で整備された児童・生徒に1人1台のコンピューターと校内ネットワークを使って教育の質を向上させるには、教員の活用力、授業力が必要。そんな教員を文部科学省はどう支援し、学びをどう変えていくのか。2021年4月に新設された学習基盤審議官の職に就いた塩見みづ枝氏に聞いた。

──GIGAスクール構想で学校に配備された端末をどう使えばよいのか、多くの自治体が頭を悩ませています。

(撮影:丸毛 透)

 せっかく配備された端末やICT環境を怖がって使わないという事態は、一番避けなければいけないことです。学校によって取り組み状況は異なるので、一律で端末をフル活用するのは難しいですが、日常的に指導の中で使ってもらえるよう計画的に進めていく必要があります。そのため文部科学省内に「GIGA StuDX推進チーム」を設置しました。

 チームには省内から課を横断して職員が所属しています。4月からは地方の学校や教育委員会から8人の出向者が加わって19人体制になりました。このメンバーを中心として、教育委員会や教員と密接に関わりながら、ICT活用の取り組みや課題などの情報を収集して発信していきます。「StuDX Style」*1というポータルサイトを開設して、まずは、コンピューターに慣れる活動といった初歩的な使い方から事例を掲載し始めました。

 GIGAスクール構想でICT環境が整備され、活用に向けた条件はそろいました。これからは教員や教育委員会のつながりを広げて、全国の学校でICT活用教育の水準を上げていくことに注力します。GIGA StuDX推進チームが横断的な情報を提供したり、教員同士がつながったりできるようなコミュニティーを形成することで、ICT利活用の格差を解消する起爆剤になってほしいと思います。

https://oetc.jp/ict/studxstyle/

──ICTの活用に積極的な教員ばかりでなく、端末などの使い方に慣れていなかったり、ICT導入に疑問を持っていたりする教員もいます。

 GIGAスクール構想の狙いやICTの利活用で学びをどう変えようとしているのか、基本的なところからの理解が重要だと思います。

 持続可能な社会を作っていく上で必要な思考力や判断力、表現力といった基本的な資質・能力を育成するためにICTを活用しない手はありません。個別最適な学びや協働的な学びなどの領域で、これまでできなかった学びの方法も実現できます。指導のプロである教員がICTを活用して学びを効果的にデザインし直し、学びの質を上げることが重要です。

 ICTは、子供たち自身が課題を見つけて、解決に向けて取り組んでいく探究的な学習と相性がとても良いです。単に知識を詰め込むような勉強はなかなか身に付きませんが、問題意識を持って課題を解決する方法を自分で考えて学んだことは決して忘れません。こうした学びは社会に出てからも大切です。

 子供たちをいかに能動的な学びに導いて問題意識を持たせるのかは、指導のプロである教員の腕の見せどころではないでしょうか。