コロナ禍を契機に手探りで始まった大学のオンライン授業。その情報共有の場として大きな役割を果たしたのがNIIのサイバーシンポジウムだ。取り組みをけん引してきた喜連川優氏に成果と課題を聞いた。

(撮影:丸毛 透)
(撮影:丸毛 透)
[画像のクリックで拡大表示]

──「大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム『教育機関DXシンポ』」が始まって1年たちました。

 2020年3月26日に開始した当初は「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」という名称が示すように、新学期に差し迫ったオンライン授業の進め方を議論し、情報共有する場として始めました。

 それまで、大学のオンライン授業は誰も本格的に実施した経験はありません。失敗してもよいから、まずやってみる。失敗をみんなで共有することで、同じ失敗をしなくなる。それにより、日本のデジタル教育が世界に遅れることなく進められる。そんな思いからスタートしたのです。多くの方が参加していただき、感謝の言葉もたくさん寄せられています。

──オンライン・オンデマンドの学習にはメリットがあり、今後も続けるべきという意見があります。

 私は各大学のオンライン講義の内容をデータベース化したいと考えています。ある分野を専門的に勉強したいとき、どの大学のどの先生がどんな講義をしているのかを調べられる仕組みです。オンライン講義を録画して大学や社会の公共財とすることにより、大学生だけでなく、高校生や社会人も講義を受けられます。大学によってさまざまな意見があることは承知していますが、どこにいても専門的な知識を身に付けられることがデジタルの強みだと思います。