まだ議論すべきことは多い

──大学を含め、国内の教育機関はデジタル化が遅れています。

(撮影:丸毛 透)
(撮影:丸毛 透)
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 大学のDXは教育、研究、事務に分けらます。教育は遠隔化でだいぶ進み、研究に関しては分野ごとの差異が大きく、個別対応が必要な部分が多いものの、研究データの共通保存など進展しているところもあります。事務ではRPAで効率化する大学が出てきました。

 教育のデジタル化で注目しているのが教育データの活用です。GIGAスクール構想で児童・生徒に1人1台のコンピューターが整備された今、子供たちの学習履歴をいかに収集、解析、保存するかといった議論も必要です。学習履歴の取得方法など、デジタル教育に即したルールを作っていくことも重要になります。

──教育機関DXシンポの今後の活動はどうなりますか?

 この1年の取り組みの中でいろいろなことが分かりました。例えば、講義動画を1.5倍速で再生したり、繰り返し視聴したりする学生が多いことは、視聴履歴の解析で初めて分かりました。

 はっきりしているのは、教育のデジタル化を進める上で整理や議論すべきテーマがたくさんあるということです。最近考えているのが、放送大学と従来の通信教育、大学のオンライン授業、MOOCsの各領域が近づく中で、それぞれの知見を生かすにはどうすればよいのか。先ほどの教育データの扱い方もそうですが、まだまだ議論や知見の共有をする場が必要だと考えています。

RPA: Robotic Process Automation

初出:2021年4月19日発行「日経パソコン 教育とICT No.16」