GIGAスクール構想による1人1台端末の本格的な利活用が2年目に突入した。端末の導入は授業や児童・生徒の学力に変化をもたらしたか。今後はどのように利活用していくべきか。教育データの利活用に関する研究に取り組む堀田龍也氏に話を聞いた。(聞き手: 江口 悦弘=日経パソコン編集長)

写真:渡辺 慎太郎
写真:渡辺 慎太郎
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──ほとんどの学校で1人1台のコンピューターが整備されてから、およそ1年がたちました。端末の利活用が進んでいる学校では、学習効果の向上が見られますか。

 教育現場におけるICT活用の効果は、必ずしも成績の向上だけを指すものではないと私は考えます。端末を導入した当初は、教員に操作やツールを指示されるでしょう。

 しかし、端末を使い慣れてくると「僕はスライドでまとめたい」「私はJamboardで意見を出したい」というように子供たちが学び方を自己選択するようになります。同じ課題を調べてまとめるにしても、多様なやり方があり、一人ひとりが工夫するようになります。これこそ個別最適な学びの在り方です。

 単に成績を上げるというのであれば、練習問題を数多くこなせば成果は期待できるでしょう。端末に練習問題をたくさんインストールして、それを片っ端から解き、成績が上がったとします。でもそれがICTの学習効果と言えるでしょうか。

 ICTの学習効果を判断するには、従来の点数主義に縛られないことが肝心です。多様性が尊重される現在、個別最適なやり方で学びに向かうことで、これまで一様だった教室が多様になります。子供たちは主体的に学ぶようになり、自分のやり方にこだわりを見せ始めます。そういう様子を見ると、学びとは本来こうあるべきだと実感します。その時点ですでにICT導入の効果は表れていると私は考えます。