DX(デジタルトランスフォーメーション)

 「全ての人々の暮らしをデジタル技術でより良い方向へ変革していくこと」。DXという言葉を2004年に提唱したエリック・ストルターマン氏はこのように定義した。近年はIT/ICT(情報通信技術)が浸透したことで、さまざまなサービスや作業のデジタル化が進んでいる。それぞれが個別に変わるだけではなく、それらの相互作用で社会やビジネスの枠組み自体がより良く変化するというのが、DXに対する一般的な認識だろう。

 例えば、会員間で自動車を共有するカーシェアリング。レンタカーより便利で安価なサービスとして広まっている。これは、通信技術の進歩によって遠隔から自動車の鍵の開閉や状態監視ができるようになり、さらにインターネットの利用者マッチングサービスを組み合わせることで実現した。利用者の生活スタイルの変化も影響しており、DXの好例といえる。

 産業界では特にDX推進による生産性向上やコスト削減、新ビジネス創出への期待が高い。国内では経済産業省が2018年9月、国内企業がDXを推進する上での課題整理と対応策を公表した。DXの推進を阻む課題を克服できない場合、2025年以降年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとし、このような最悪のシナリオを「2025年の崖」と名付けて、DXの推進を喚起した。

 DX推進の司令塔として期待されているのが、2021 年9月発足の「デジタル庁」だ。各省庁のデジタル化に関する予算を一括して管理し、システムの一元化などを目指すという。

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