東京都は新型コロナウイルス感染症による都立学校の休業が長期化していることから、日本マイクロソフトの「Office 365 Education」の導入を、当初予定の2020年11月から5月中旬に 前倒しする。

 東京都は2020年の事業戦略として、目指すべき未来の形の一つとして、ICTを活用して都民が質の高い生活を送ることのできる「東京版Society 5.0『スマート東京』の実現」を掲げている。その一環で、ICTを活用して学びのスタイルを「知識習得型」から「課題解決・価値創造型」へ転換する「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を推進している。校内に分散した情報をデジタル化し、ICTを積極活用することで、きめ細かい指導や学校運営の改善につなげ、教育の課題を解決していくことを目指す。

「スマート東京」を実現するための一環として、都教育委員会では「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を進めている
(出所:東京都「スマート東京実施戦略」から転載)

 この取り組みの中で、2020年11月から学習支援サービスとして「Microsoft 365 Education」を導入することを決めていた。「Teams」を使って教員と児童・生徒間で課題の配信や提出、評価管理、Web会議をできるようにしたり、オンラインストレージとして「OneDrive」、共有や共同編集等が可能なデジタルノートとして「OneNote」を活用したりすることなどが想定されていた。

 新学期に入ってから新型コロナウイルス感染症による学校休業が長引いていることから、都教育委員会と日本マイクロソフトは5月8日に協定を締結し、都立高校・特別支援校など都立学校全 247校の生徒 (約16万人) と教員 (約2万人) が利用する学習支援サービスとしてOffice 365 Educationを5月中旬に前倒し導入することを決めた。11月以降は、Office 365 Educationに加えて、Windows 10のライセンスや端末管理ツールの「Intune for Education」、プログラミング教材として使える教育版「Minecraft」や高度なセキュリティ機能などを含む教育機関向け統合型クラウドサービスMicrosoft 365 Educationに移行する。

 都は2020年度(令和2年度)の予算で、同プロジェクト全体で56億円を計上している。ICT環境の整備に対して都独自の補助をする。都立高校の全教室でインターネットに接続できるようにしてオンラインによる教育を実施できるよう環境整備を進める。端末については、生徒が各自で購入するBYODなどの方法で1人1台環境の実現を目指す。