経済産業省が進める「EdTech導入補助金」は、EdTechソフトやITを活用した教育サービスを学校などに導入実証する事業者に導入費用の一部を補助する制度。学校や自治体の教育委員会などの費用負担を軽減してEdTechを導入しやすくし、教育のイノベーションにつなげることを目的としている。

 2019年度補正予算による「先端的教育ソフトウェア導入実証事業」として、2020年3月に紹介サイトがオープンして公募要領が公開された。ところが、新型コロナウイルスによる感染拡大が続き、政府の臨時休校要請に従って全国の小中学校と高等学校、特別支援学校が一斉休校した。4月7日には緊急事態宣言が出され、新学期以降も休校措置が続き、遠隔授業の必要性やEdTechの重要性が高まっていた。

EdTech導入補助金の紹介サイト。制度の紹介や申請方法、各種EdTechサービスなどが紹介されている

 こうした状況を受けて、経済産業省はEdTech導入補助金の公募要領を大幅に改訂した。補助の上限額を当初の1校につき60万円から200万円に拡充するとともに、児童・生徒向けソフトやサービスに限定されていた対象サービスを教職員研修用途でも利用できるようにした。スケジュールも見直し、交付申請を2020年7月中旬まで延ばして申請プロセスを簡略化した。

 その狙いを、経済産業省の商務・サービスグループ サービス政策課長兼教育産業室長の浅野大介氏に聞いた。

 「もともとEdTech導入補助金の仕組みは、文部科学省が進めるGIGAスクール構想と歩を合わせて設計した。コロナ禍が続く中でも学びを止めないためには、EdTechを用いたオンライン学習と、登校人数を制限した中でのオフライン学習がカギだ。そのため、当初の公募要領を緊急事態宣言や休校要請に対応すべく改訂した」(浅野氏)

  EdTech導入補助金は、導入実証先の学校や教育委員会と事業者が導入計画を策定し、事業者が補助金を申請する。これにより学校や自治体などは2020年度の導入費用を負担せずに、児童・生徒の学びや教職員の指導に役立つEdTechソフトやサービスを利用できる。

 経済産業省は、学校や教育委員会などがEdTech導入補助金を活用して、GIGAスクール構想によって整備される校内ネットワークや1人1台のコンピューターを生かした学習を実現することを期待している。それにより在宅でも遠隔授業で学び続けたり、個別最適化した学びを実現したり、課題解決に力点を置いたプロジェクト型・STEAM型の学びに移行していくことを目指している。

 経済産業省の浅野氏は、「休校措置が解除されても、半分の児童・生徒は午前、半分は午後に登校というように分散登校が増える。対面での授業と児童・生徒自身による自学・自習を交互に実施するようになれば、より自然にEdTechの活用が進むのではないか」と話す。

 新型コロナウイルス感染症による休校措置により、教職員もこれまでの授業の在り方を変えて、どうやって児童・生徒と接し、学びを止めないようにするか、大きな岐路に立たされている。