2022年度に入学した高校生から、大学入試が大きく変わる。国立大学の受験で、大学入学共通テストの新科目「情報Ⅰ」の選択が原則となったのだ。新学習指導要領の下で2022年度から、高校の教科「情報」の科目は、従来の「社会と情報」「情報の科学」から「情報Ⅰ」に替わった。

 国立大学協会は2022年1月28日、2024年度以降に実施する国立大学入試で、大学入学共通テストでの教科「情報」の受験を原則とする方針を発表した。これによって、芸術系などの一部の専攻を除いて、各国立大学は「情報Ⅰ」の選択を必須にするとみられる。

国立大学協会は2022年1月28日、2024年度以降の国立大学入試で、大学入学共通テストの新科目「情報Ⅰ」の受験を原則とする方針を発表した
国立大学協会は2022年1月28日、2024年度以降の国立大学入試で、大学入学共通テストの新科目「情報Ⅰ」の受験を原則とする方針を発表した
(出所:国立大学協会)
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 大学入試では、入学の2年前までに入試の内容を明らかにするという「2年前ルール」が存在する。また、文部科学省は2021年7月30日付の通知で、「2年程度前を待たず、可能な限り早期」に「情報」に関する入試の方針を明らかにするよう各大学に求めている。今後、2022年の年末ごろまでには各大学の方針が明らかになるだろう。

 私立大学や公立大学も、AI・データサイエンス教育の必修化を文部科学省に求められている。社会の変化を踏まえて、「情報」に対する関心や素養を持つ学生を確保したいという意向もある。その一方で、入試科目に課すことで、受験者数が減ることを避けたいという「本音」もある。今後、AO入試で導入するなどの選択肢も考えながら、難しいかじ取りを進めていくことになりそうだ。

 2022年6月2日から開催される「New Education Expo 2022 in 東京」において、4日(土)の10時から「国立大で必須化、教科『情報』の大学入試に備える」と題したセミナーが開催される。登壇者は、京都精華大学 教授の鹿野利春氏、東京都立神代高等学校 主任教諭の稲垣俊介氏、河合塾 教育研究開発本部本部長の富沢弘和氏。「情報」入試のキーパーソンが最新情報と対応策を解説する。イベントとセミナーの詳細はこちら。

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