中井 陽子氏
業務執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 統括本部長

──ビジネスの世界では圧倒的に強いWindowsですが、GIGAスクール端末では苦戦しました。

 これまでWindowsを使ってきた経験から「複雑で難しい」という印象を払拭できなかったからだと思います。反対に、全く新しいものへの高い期待感を反映した結果とも言えるでしょう。

 一方で、Officeを含むMicrosoft365 Educationを導入した自治体では、先生が使うWindowsパソコンとの親和性、ルビや縦書きなどに対応した日本語環境、高いセキュリティが評価されています。

 1人1台の端末は、自宅に持ち帰って学習に使います。その際、たとえ自宅のネットワーク環境が整っていなくても、Windowsならオフラインで使えることもメリットです。

──2021年度からの端末活用を支援する取り組みはありますか。

 これまでもMicrosoft GIGAStart Programとして、地方自治体向け研修プログラムを無償で提供してきました。2020年だけでも80くらいの自治体で実施し、2021年も続けています。先生がいつでも好きなときにオンラインで学べるコンテンツも、50本程度提供しています。

 2021年度はそれらに加えて、Teamsを活用してユーザー会のようなコミュニティーを作ろうとしています。先生同士が学び合える交流の仕組みを作り、日常的にやり取りができる場を作りたいと考えています。

 機能の面では、ダッシュボードのような教育データの可視化はやりたいと考えています。例えば、子供たちの活動データをPowerBIで見える化し、Teamsを使って共有するといった取り組みを検討しています。

 GIGAスクール構想で整備された端末によって、さまざまな種類の教育データが蓄積されます。複数のサービス、複数のIDに分散したデータを個人にひも付けて統合し、データを分析する。個別最適化した学びのためのデータを提供する。そういったことはマイクロソフトが得意とするところですし、一番支援したいところでもあります。

 教育機関向けのInsightsという機能では、教員が生徒に対してデータに基づくフィードバックができるようになります。また、こうしたクラウドの機能はマルチプラットフォーム対応なので、端末のOSに依存せず利用できます。

 米国での事例ですが、教育データに基づいた予測を活用し、それまで低かった卒業率を33ポイントも改善することに成功した高等学校もあります。

──1人1台の端末を活用するには、まず何をすればよいでしょうか。

 コンピューターを毎日普段使いできるようにすることでしょうか。先生が日々使っているWindowsを授業に持ち込むことから始めるのがよいと思います。

 普段、「自分ごと」として使って良いと思っていること、例えばTeamsで会議をしたときに「これいいね」と思ったら、それを授業に持ち込んでみてください。

初出:2021年4月19日発行「日経パソコン 教育とICT No.16」