2021年度はGIGAスクール構想で配備されたコンピューターを本格活用する年度になる。授業で1人1台の端末を生かすには、これまでのやり方や考え方を変える必要がある。さまざまな立場の教育関係者から、活用のアドバイスをお届けする。

 GIGAスクール構想によって配備されたコンピューターを早速、授業や学級活動に活用している学校がある一方で、端末は納品されたものの、さまざまな理由により使われず置かれたままの学校もあると聞く(図1)。長年地方自治体間でICT環境に格差があったが、GIGAスクール構想のおかげで全国横並びになった。しかし、それを手放しで喜んではいられない。

●活用か元に戻るか分かれ目
図1 授業に1人1台の端末を活用できるか、それとも従来のスタイルに戻るか、この数年が重要だ。端末を“ 動かないコンピューター”にしないためには、ソフトの整備から教員のマインドセットの転換まで、さまざまな取り組みが求められる(イラスト: ヨーダヒデキ)

 東京学芸大学教育学部 准教授の高橋純氏は、「この10年間でICT活用教育の地盤整備をしてきた自治体はすぐに活用できる。そうでないところは、マインドセットなどさまざまな障害を取り除く地盤改良から始めざるを得ない」と指摘する。ハードウエアが整備されても、それをどのように活用してどんな教育を実現するのかを明確にした上で教員を指導・支援していかなければ、GIGAスクール端末は“動かないコンピューター”になってしまう。

 本特集では、教員、教育委員会、教育研究者、文部科学省、プラットフォーマーなど、さまざま立場でICT活用教育を推進する関係者に端末活用の秘策を聞いた。この記事を含めて4本の記事を通じてお伝えしていくが、ここでは教育関係者が共通して指摘した点をまとめておこう。