「入り口は1つ」が必要

 小中学校の児童・生徒全員が使えるコンピューターと高速な校内ネットワークというハードがそろった今、次に必要になるのは基盤(インフラやコンテンツ)とそれらを使いこなせる人材だ(図2)。

●ハードの次に必要なのは「基盤」と「人材」
●ハードの次に必要なのは「基盤」と「人材」
図2 ICT 活用教育を支えるのは、インターネット回線やデジタル教科書などの基盤と、活用能力・資質を備えた人材だ。長期的には教員養成の在り方も変える必要があるだろう
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 まずインフラとして、クラウドを生かせるインターネット回線が欠かせない。文部科学省初等中等教育局視学委員の中川哲氏は、「GIGAスクール構想ではクラウド利用が前提。各自治体には、太いインターネット回線が必須だということを理解してもらいたい」と訴える。同省はネットワークのアセスメントを実施するよう各自治体に要請している。

 インターネット回線と並んでICT活用教育を下支えするインフラの一つが、教育向けプラットフォームだ。グーグルの「Google Workspacefor Education」や日本マイクロソフトの「Microsoft 365 Education」も教育機関向けのプラットフォームだが、ベースになっているのは一般・ビジネス向けのクラウドサービスだ。それに対して教育向けに特化したプラットフォームとして、「まなびポケット」(NTTコミュニケーションズ)や「Open Platform for Education(OPE)」(NEC)などがある(図3)。

●教育プラットフォームの利用者が急増
●教育プラットフォームの利用者が急増
図3 GIGAスクール構想の端末では基本機能が無料で利用できることもあり、「まなびポケット」は200万ID、「Open Platform for Education」は約150万IDに急増した。NECは授業中の発話解析など独自機能も投入する
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 クラウド配信される学習者用デジタル教科書をはじめとする各種の教材・ドリル・テストなどのコンテンツ、教育向けクラウドサービスなどを利用するには、それぞれのアカウントが必要。だが、児童・生徒が各サービスのIDとパスワードを全て管理するのは到底無理な話だ。そこで、1つのID・パスワードで教育プラットフォームにログインすれば、連携するクラウドのコンテンツやサービスが使えるシングルサインオン(SSO)による運用が現実的だ(図4)。

●「入り口は1つ」を実現する教育プラットフォーム
●「入り口は1つ」を実現する教育プラットフォーム
図4 デジタル教科書やドリルなど、クラウドにあるさまざまなコンテンツやサービスを1つのアカウントでシームレスに利用できる仕組みが教育向けプラットフォームだ
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